5月29日、NPB(日本野球機構)は「マツダオールスターゲーム2015(第1戦=7月17日・東京ドーム、第2戦=同18日・マツダスタジアム広島)」ファン投票の中間発表をした。
同25日に、第1回中間発表がされたが、セ・リーグでは全11枠中、9枠が前回と同じ顔触れとなった。首位を走るDeNAベイスターズからは、田中健二朗(中継ぎ投手)、山崎康晃(抑え投手)、アーロム・バルディリス(三塁手)、筒香嘉智(外野手1位)、梶谷隆幸(外野手2位)の5人。広島東洋カープ勢は、黒田博樹(先発投手)、新井貴浩(一塁手)、菊池涼介(二塁手)の3人が1位。他の球団では、阪神タイガースの鳥谷敬(遊撃手)がトップを守り、外野手部門で丸佳浩(広島)を抜いて、中日・平田良介が3位に食い込み、圏内の3枠目に入った。
捕手部門では、会沢翼(広島)をかわして、谷繁が3万169票を得て、トップに立った。野村克也がもつ出場試合最多記録(3017試合)まで、あと10試合に迫った谷繁だが、今季は若手捕手に任せることが多く、ここまでわずか16試合の出場で、27打席しか立っていない。成績だけを見ると、とてもオールスター戦に出場するようなものではない。
その谷繁は同28日のソフトバンク戦で腰を痛め、皮肉にも、ファン投票中間発表がされた同29日に、出場選手登録を抹消された。これは、監督兼任となった昨季以来、初めての事態。ケガは重症ではないようだが、監督として指揮を執らなければならず、治療に専念できないのが実状で、再登録までは少々時間がかかるかもしれない。
当の中日は25勝29敗の借金4で4位に低迷。最下位・広島には0.5ゲーム差に迫られており、いつ最下位に転落してもおかしくない状況。そんななか、中日ファンの「勝つために谷繁にもっと試合に出てほしい。“選手”谷繁を見たい!」との切なる思いが、この投票行動につながったようだ。
ただ、2位の会沢(2万9417票)とは、わずか752票差。その他に、3位の阿部慎之助(巨人)らも控えており、いつ逆転されてもおかしくない状況だが、もし谷繁が最終的にファン投票のトップに立つようなことがあれば、出場試合日本記録達成のご祝儀と解釈すべきか?
なお、ファン投票は6月20日で締め切られ、最終結果は同26日に発表される。
※記録はすべて5月31日現在
(落合一郎)
写真:横浜DeNAベイスターズ、梶谷隆幸