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蝶野正洋の黒の履歴書 ★神戸教員イジメ事件の“真の問題点”

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提供:週刊実話

 神戸市の東須磨小学校で起きた「教員イジメ問題」が、なかなか解決しないみたいだな。子どもたちの模範になる先生がイジメをしていた、というのが衝撃的だったようだけど、俺から言わせれば、どの時代でも一部のやつはイジメをするし、そういうやつはどの集団にも必ずいる。

 俺が中学生の頃、近くの学校で大規模なイジメがあった。クラスメイトの中で、オニになった奴から逃げるっていう他愛のないゲームなんだけど、それを学校ぐるみでやってたんだよ。放課後のチャイムが鳴った瞬間、オニになった奴の周りから人がバーッといなくなって、そいつには誰も話しかけないし、近寄らない。そんなことを毎日やってた。

 それを大人がパッと見たら、他愛のない遊びをしてるなって思うくらいかもしれないけど、オニになった奴はキツいし、かなり追い詰められる。

 俺の知り合いだった不良連中も、そのゲームに参加してたから、「お前ら、ツッパリのくせにくだらないことしてんじゃないよ」って、注意したよ。

 その時に気づいたのは、そういう集団には必ずお山の大将というか、ボスがいるってことだね。そのボスが腐ってる奴だと、イジメも陰湿になっていく。しかも、そういう奴って、自分が責任を負わないように上手に周りを作っているから、なかなかイジメは発覚しないし、罪の意識もなかったりするんだよ。

 今回の教員イジメ問題で言うと、40代の女教師っていうのが、その陰湿なボスだったんだろうね。

 こう言ってしまうと元も子もないけど、俺はイジメに特効薬はないというか、すぐに解決することは難しい問題だと思う。だからこそ大人として、せめて与えられた仕事はするべきだと思う。今回のケースだと、被害者教師も加害教師も、結局は休職して、子供たちに教えることを放棄していることが問題だと思う。

 逆にいえば、子供も、その保護者も、先生同士でイジメはあるかもしれないけど、ちゃんとプロとしてきっちり仕事をしてくれればいいわけで、そのあたりをもうちょっと突っ込んでもいいんじゃないかな。

 すごくドライなことを言うと、大人になっても、イジメとか仲間はずれなんて、どこの会社にでもあることなんだよ。だからこそ、「会社の中でパワハラに遭ってます」という問題と、それで「出社拒否して仕事ができない」というのは別な話のような気がする。

 イジメがあったり、人間関係がうまくいってなくても、頑張って仕事は果たすっていう姿を見せれば、子どもたちにも伝わるものがあるかもしれない。

 最近は、学校で授業以外の子供たちのケアをする「スクールカウンセラー」という存在があるみたいだけど、これからは先生にもカウンセラーが必要かもね。

 もっといえば、どんな会社でもイジメは起こり得るんだから、イジメを監視するような「職場カウンセラー」がいてもいいよね。会社側としても、イジメや人間関係の不和が業績に左右するんだから、トラブル解決をする専門家を置いたほうがコスト的にもワリが合うかもしれないよ。そのポジションに、定年が近いベテラン社員なんかを置けば、再雇用にもなるから、一石二鳥だよ。

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蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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