まず、移籍したことにより、もっとも推されたといわれているのが、HKT48からSKE48に移籍した谷真理佳だ。SKE48でも選抜メンバーとして活躍、冠番組でも、終身名誉研究生の松村香織とともに、電波少年の伝説の企画に挑戦。握手人気もHKT48時代よりも伸びた。もともとSKE48はバラエティ力が足りないと言われていたため、その空いていたポジションにうまくすべり込んだようだ。谷と同じようにAKB48へバラエティ枠として移籍して加入した小笠原茉由(元NMB48)、中西智代梨(元HKT48)らも、AKB48の冠番組でもピックアップされる機会が多くなり、一定の評価を得ている。
SKE48からAKB48へ移籍した木崎ゆりあは、チーム4の副キャプテンに就任。テレビドラマ「GTO」にも出演するなど、一般層へアピールする機会が増えた。昨年の総選挙では23位。今年の総選挙で選抜入りできれば、彼女の移籍も大成功だったと言えるだろう。
SKE48とNMB48の兼任となった高柳明音、SKE48とHKT48と兼任となった木本花音。それぞれ目立ったインパクトがないという現状であり、このまま兼任解除となれば、その必要性が疑問視されてしまうだろう。それぞれのグループで主力ながら、AKB48との兼任となった松井珠理奈(SKE48)、山本彩(NMB48)も、そもそも劇場公演などでAKB48として活動する機会が極端に少なく、その意味が問われることになるかもしれない。同じことは、渋谷凪咲(NMB48)、朝長美桜(HKT48)らにも言えることであり、彼女たちは、AKB48としてのアピールの機会に恵まれていない。これら兼任メンバーは結局、腰を落ち着かせて兼任先のグループでの活動ができないため、効果が薄いようだ。
AKB48からSKE48へ完全に移籍となった大場美奈は、“デブキャラ”という新境地を開拓。SKE48の冠番組でも、その件でよくいじられるようになった。番組としては、盛り上がるが、果たして今後、彼女にとって“デブキャラ”がプラスになるかどうかは、今のところ判断ができない。
交換留学生となったSKE48の松井玲奈と乃木坂46の生駒里奈。生駒は総選挙でも選抜メンバーとしてランクインなど一定の爪痕は残した。しかし、一方の松井は乃木坂46の冠番組で、松井をピックアップする特集は組まれたが、その後、プリンシパル公演以外は目立った活動は見当たらなく、神宮球場でのライブもテレビ電話での参加のみ。まだまだ、“お客様”という感じがぬぐえていない。
また、組閣を拒否した菊地あやか、高島祐利奈は卒業。 岩田華怜もぱっとしない。やはり、運営側の思惑に逆らう形となったメンバーは、厳しい局面に立たされるのか…。
以上、成功か失敗かは本人の資質や努力だけでなく、周囲の環境に大きく左右されることも事実だ。これまでの兼任制度では、1年で解除されているため、また、新たな組閣イベントが近日中に発表される可能性があるかもしれない。