フジテレビは昨年12月、放送収入が落ち8億3600万円もの営業損失が出たことを発表。今年2月には雑誌「フライデー」がフジテレビに在籍する50歳以上の社員を対象に早期退職者を募っていることを報じており、フジテレビはいよいよ正念場を迎えるようだ。
一部の報道によると、すでに同じく長寿番組である『志村けんのバカ殿様』も打ち切りが視野に入ってきたとのことだが、そんななか、地味ながらも手堅く放送してきたこの番組が、4月からついに長寿番組の仲間入りをするという。
それは、『奇跡体験!アンビリバボー』(毎週木曜20時〜)である。
本番組はビートたけしをストーリーテラーに迎え、1997年10月に放送を開始。海外の珍しいニュースや事件・事故を再現ドラマを交え紹介し検証していくドキュメンタリーで、放送回数は既に800回を超えている。
関係者によると、フジテレビのあらゆる長寿番組が宮内正喜社長の判断で軒並み打ち切りとなるなか、唯一、役員の満場一致で継続の判断が下されたのが、この『奇跡体験!アンビリバボー』のみだったという。
『奇跡体験!アンビリバボー』が生き延びた理由について、とある芸能記者はこう語る。
「『奇跡体験!アンビリバボー』はフジテレビのバラエティ番組のなかでは唯一、安定した視聴率を稼いでいる番組なので、打ち切りになる可能性は低いでしょう。また、再現ドラマも有名な役者を起用するわけではなく、一本あたり100万ちょっともあれば十分クオリティの高いビデオが作れるので、非常にコストパフォーマンスがいいのです。唯一、多額の予算がかかるのがビートたけしさんの出演費なのですが、これは『アンビリバボー』スタッフが海外でロケや取材を行う際に『世界のキタノの番組』と申告すれば、大抵のメディアが協力してくれることもあり、彼の存在は絶対に必要なのです。ちなみに、これは日本テレビの『世界まる見え!』もまったく同じです」
『奇跡体験!アンビリバボー』は一見地味な番組ではあるが、視聴率だけみれば、フジテレビのバラエティの中ではトップクラスの常時2ケタ(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を獲得している「優良番組」。木曜20時台ではトップの数字だという。
『奇跡体験!アンビリバボー』以外のバラエティ番組が全滅……そんな時代がやってくるのかもしれない。