彼女の顔相でまず目につくのは、突き出た頬骨と張ったエラだ。前者が出しゃばりで負けず嫌い、後者は粘り強く行動力のある相で、どちらも強情で我が強く、夫運に恵まれない点で共通している。
口が大きく、歯列のアーチも大きく、いたってタフで、生活力・生命力があり、ベッドに上がれば回数をこなすセックスだ。
女性ホルモンタンクの臥蚕(下瞼のサヤエンドウ形の部分)が豊かとは言えないものの、田宅(上瞼)にぽってりと厚みがあって、こちらは老いてますます盛んな多淫相。薄めの眉に好色性が現れ、上下唇にも厚みがあって、精神的な情愛も豊かだ。
彼女の眼光には(媚がない一方で)ほどよい艶と得も言えない慈しみがあり、前述の田宅相とともに、男心を惹く要素を備えている。
ただ、豊かなもみあげとしっかりしたアゴの骨格から、男性ホルモン優勢タイプと観て取れ、「中身は男」と言ってもいいような女相。目頭に切れ込みもなく、女らしさや色香を武器に世を渡っていくタイプではまったくない。
【淫乱度】は「3」、【絶倫度】は「5」寄りの「4」と、かなり高い。
やや浅い人中(鼻下の縦溝)と薄めの眉が尻軽傾向を示すものの、他に決定的な尻軽相がなく、【尻軽度】は「2」と低い。
先天的名器度が現れる、耳穴の下の溝が広くて凡相。口元の肉付きはそこそこあるも、締まりがよいとは言えず、後天的名器度も高くない。張ったエラが、膣蠕動の激しい、名器「ミミズ千匹」の相で、トータルで観て【名器度】は「3」。
張った金甲(小鼻)と弓なりの眉があげまん系の相ながら、眉は太すぎ、金甲は勢いがなく、どちらも相としては弱い。肝心の眼形も(目尻の上がった)あげまん相ではなく、【あげまん度】は「1」寄りの「2」と低い。
鼻が高くなく、正面から鼻孔が覗くのは、あけっぴろげで姉御肌な心性。左金甲のホクロは財布の底に穴が開いている相で、稼いでも稼いでも残らない。一方、食禄(鼻下)に小さなホクロが3つもあり、こちらは食うには困らない相だ。
出っ張った頬骨に対して、頬そのものの肉付きは薄く、家庭運には恵まれない。エラの肉付きも薄く、骨張っているのは、反抗的かつ偏屈の相で、結婚を遠ざける。下唇の下端からアゴ先までが長く、勢いもあって、晩年運はよい。
家庭より仕事に生きる顔相の典型で、表現を変えると、結婚して夫に養われたり、家庭を守ったりするより、自身が社会に出て稼ぎ、男を(結婚すれば夫を)養っていく女相だ。
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【劉飛昶プロフィール】
劉飛昶(リュウ・ヒチョウ) 観相学・東洋運命学・心理学などを独学。セクソロジーにも通じ、女相から性感の特徴などを観極め、現代にフィットした〈新〉淫相学の研究に取り組む。淫相学とは、観相術の中でも男女の交わりに主眼をおいた観法の総称。