『M-1』は開始当初は、コンビ結成10年以内が出場条件とされたが、途中5年間の休止期間を挟んでいるため、復活後は条件が15年に緩和された。やはり、芸人にとっては漫才日本一を決める『M-1』制覇は、悲願であろう。
ラストイヤー芸人で優勝候補でもあるのが、かまいたちであろう。すでに全国区のテレビでも知名度を獲得していると言えるが、頭一つ飛び抜けるために『M-1』優勝が欲しいところである。当初は「M-1不出場」を明言していたが、途中で方針を転換しただけに気合は十分に入っていると言える。
また、天竺鼠も準決勝に残った。ともに、鹿児島出身で高校時代の友人同士でコンビを結成。長渕剛好きのボケの川原克己の無骨なキャラクターはおなじみだろう。現在の所属は東京吉本だが、長く大阪で活躍していただけに、本場のコテコテ漫才を見せてもらいたいところだ。
そして、囲碁将棋もラストイヤーに準決勝進出を果たした。漫才コントが多い最近の芸人の中では、正統派のしゃべくり漫才をする稀有なコンビだ。これまでの最高成績は2010年の第1期『M-1』最後の大会に達成した準決勝予選10位であり、あと一歩で決勝進出を逃している。正真正銘のラストイヤーとなる今大会では、何としても決勝進出を果たしたいところであろう。
準決勝に残ったラストイヤー3組と対照的に、惜しくも準決勝進出を逃したのがアイデンティティである。田島直弥の声優・野沢雅子さんのものまねでもおなじみであり、これまでも野沢ネタで『M-1』予選へ挑んでいた。しかし、今年の準々決勝は最後に野沢ネタを封印し素顔で勝負に挑んだようだ。惜しくも敗れてしまったが、そのチャレンジ精神は評価したい。
何より残ったメンバーは、12月4日に行われる準決勝を勝ち抜き、決勝進出を果たさなければならない。勝負はまだまだこれからとも言えそうだ。