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甲子園視察だけでは決められない? 阪神ドラフト1位選択事情

 某スカウトによれば、今年のドラフトはどの球団も「高校生は将来性重視になる」という。当たり前の話かもしれないが、今年はとくにスカウトの眼力が問われるシーズンとなるようだ。
 「どのチームも1位指名は即戦力選手を獲りたいですからね。2年前の菊池雄星クンのような投手がいれば、話は別ですが…。大学生、社会人に即戦力が少ない年なので、2位以下から高校生の指名に切り換える球団もあるかもしれませんよ」(前出・同)

 ここ数年、とくに阪神は高校生のドラフトを重要視している。昨秋は1位で榎田大樹(24=東京ガス/大石達也入札)という即戦力投手を獲り、2位以下の3人は高校生(投手2人・捕手1人)。明治大学の雄・荒木郁也(23)がこの順位まで残っていたのは“ラッキー”だったが、2位・一二三慎太、3位・中谷将大、4位・岩本輝には『1つの傾向』が見られた。
 まず、一二三は甲子園の準優勝投手ではあるが、サイドスローに転向して間もなかった。投手としては、まさに「これから」であり、打撃センスにおいても、「投手でなければ4番を託せたスラッガー」と、高校球界では高く評価されていた。つまり、野球センスの高い高校生を獲得したわけだ。中谷、岩本もしても、そうだ。中谷は遠投120メートル、高校通算20本塁打を放っている。ポスト城島としても鍛え甲斐のある『強肩強打』の捕手で、岩本においては「高校2年生から急激に良くなった」と伝えられている。投手としての伸びひろをもっとも強く感じさせるタイプだ。
 実際、阪神は投手で指名した黒田祐輔(25)を今季から正式に外野手コンバートさせている。悪い言い方をすれば、“潰しの利くタイプ”だが、こういう選手は大化けする可能性も大きい。スカウト高校球児に求める「将来性」とは、そういう意味なのである。

 おそらく、阪神はドラフト1位で慶応大学の伊藤隼太外野手か、東洋大学の好左腕・藤岡貴裕投手を狙ってくるだろう。国内FA権を取得したソフトバンクの杉内俊哉、日本帰還が囁かれる福留孝介、井川慶の去就も微妙に絡んでくる。伊藤外野手に決まれば、「左投手の杉内、井川」を獲る、そして藤岡投手を1位指名する方向性が見えてきた、福留獲得に「手応えを感じている」とも予想できる。
 一般論として、選手層の厚いチームはドラフトで“冒険”もできる。今夏、阪神スカウトが大学チームとの交流戦にウエイトを置いているとの情報も交錯している。しかし、全国の地方大会・会場で阪神スカウトが目撃されており、例年以上に熱心な高校球界視察も行っているようである。FA市場での戦力補強が巧く行くようなら、『外れ1位』は高校生ではないだろうか。

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