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LiLiCoオススメ「肉食シネマ」 色あせない、懐かしい物語たち『リンドグレーン』

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提供:週刊実話

 今年もラストスパート! クリスマスとお正月は家族にとっては、とても大切な時間です。仕事激務で残業続きのあなたも、お子さんをハグしてあげてね!

 さて、皆さんはお子さんに、どんな物語の本を読んであげてましたか? 私はアストリッド・リンドグレーンの『長くつ下のピッピ』『ロッタちゃん』シリーズ、『やかまし村の子どもたち』などを読んでもらったり、自分で読んだりもしてました。

 アストリッドは全世界で愛された作家で、100カ国で翻訳され日本にも多くのファンがいます。アストリッドは「死」についてもよく描きますが、それらを読んでも、なぜか生きる力が湧いてくるんです。

 では、アストリッドはどんな人だったのか?

 失礼ながら、今まで考えたこともなかった。でも、この作品を見て、小さい時にもらった笑いと勇気、そしてやる気、それが一気に胸を締め付けるような感動に変わったのです。

 優れた文才を持っている彼女。新聞社が若いうちから雇ってくれたことに家族も誇りに思っています。その才能を見出した編集長ブロムベルイは、味のある包容力の持ち主で、2人はまたたく間に恋に落ち、19歳の彼女のお腹に新しい命が宿ってしまいます。

 ただ、アストリッドの若さで子供を出産するなんてことは、当時ではとんでもない話。結果、可愛い男の子が産まれますが、隣の国デンマークへと送られてしまいます。母親なのに会うことが許されないアストリッド。その絆を結ぶのは…。

 デンマークの監督、ペアニレ・フィシャー・クリステンセンとお話しさせていただきました。私と同い年で、やはりアストリッドの本を読んで育ったそう。アストリッドはどんな人だったのか、大人になって色々調べてみたけれど、なかなか情報がない。諦めかけていた時、同じように調べていた記者の存在を知り、一気に映画化へ。

 最後に流れるテーマ曲『SPRINGA』。デンマークの歌手ANE BRUNが歌っています。今年の私の映画音楽ベストに入る2曲のうちの1曲。映画とのリンク、メロディーライン、深み、歌手の声、すべてが完璧。ちなみにもう1曲は、現在公開中の『幸福路のチー』のテーマです。

 晩年のアストリッドがファンレターを読んでいるシーンで、子どもの声で朗読される演出も素晴らしい。人の人生はほんと、切なくて美しいものです。

画像提供元:(c)Nordisk Film Production AB / Avanti Film AB. All rights reserved.
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■リンドグレーン
監督・脚本/ペアニレ・フィシャー・クリステンセン 出演/アルバ・アウグスト、マリア・ボネヴィー、マグヌス・クレッペル、ヘンリク・ラファエルセン、トリーネ・ディアホム 配給/ミモザフィルムズ 岩波ホールほか全国順次公開中。
■兄弟姉妹とスウェーデンのスモーランド地方の自然の中でノビノビと育ったアストリッド・リンドグレーン(アルバ・アウグスト)は、思春期を迎え、より広い世界や社会へ目が向き始める。教会の土地で農業を営む信仰に厚い家庭で育ちながら、“率直で自由奔放”な彼女は、次第に教会の教えや倫理観、保守的な田舎のしきたりや男女の扱いの違いに息苦しさを覚え始めていた。そんな折、文才を見込まれ、地方新聞社で働き始めた彼女は、才能を開花させはじめるが…。

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