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球団ドクターはつらいよ… 変わりつつある医師と選手の信頼関係

 ダルビッシュ有(28=テキサスレンジャーズ)が術後はつとめて日本のメディアに登場し、リハビリが順調に行われている旨を語った。
 「今季中の登板はないと見るべき。本人が『一年掛けてしっかり…』と言っている以上、球団も無理をさせられないはず」(米国人ライター)
 ダルビッシュは「(肘を)至る前よりも、さらに良い投手になって…」と前向きに語っていたが、右肘の内側側副靱帯の部分断絶が判明してから、手術に踏み切るまでちょっと時間を要している。球団ドクターの診断後、セカンドオピニオンを求めた。1人ではなく、2人目の医師にも診断を仰ぎ、自身が納得した上でメスを入れようとする気持ちは分かる。しかし、ダルビッシュは“サードオピニオン”まで求めた。
 メスを入れるとなれば、シーズンを棒に振ってしまう…。慎重になるのも無理はないが、それはチームドクター(複数制)が信用できないという意味ではないのか?

 前出の米国人ライターがこう言う。
 「13年10月、アレックス・ロドリゲス(39=ヤンキース/以下A-ロッド)がチームドクターと、同医師の所属する病院を告訴しています。結局、A-ロッド側が裁判を維持できなくなって告訴取り下げましたが」
 チームドクターに難癖を付けたというわけか…。A-ロッドはその13年途中から“薬物使用”により、162試合の出場停止処分を受けている。しかも、MLB機構がその調査を始めた際、隠蔽工作もしたとされ、追加ペナルティーも受けている。チームドクターを訴え出たのは「出場停止処分を覆すための奇行のひとつ」というのが米メディアの見方だが、ヤンキースのチームドクターは、昨季、右肘靱帯を損傷した田中将大(26)にもセカンドオピニオンを求められている。
 「ヤンキースのアーメド医師は優秀であり、A-ロッドが裁判を起こした際にはチーム全体で擁護にまわったほど。田中も同医師を信頼している一人です」(現地特派記者)

 日本とアメリカにおける考え方の違いも影響しているのかもしれない。だが、チームドクター側からセカンドオピニオンを進めるケースも少なくないという。
 「医師自身が疑惑の目を向けられたくないと思っているようです。自分の診断は間違っていない、他の医師に聞いてもらってもけっこう。是非聞いてくれ、みたいな…」(前出・米国人ライター)

 昨年、ヒューストンアストロズがドラフト1位選手と契約金を巡って衝突した。1位指名されたブレイディ・エイケン投手は「米高校球界ナンバー1」と称された逸材だが、650万ドル程度の契約金しか(約8億円)提示されなかった。その是非はともかく、ドラフト指名選手を含むメジャーリーグの契約金には上限規定はない。高校、大学のトップクラスともなれば、1000万ドルでも安いとされる世界なのだ。
 ブレイディ・エイケン投手が買いたたかれた理由は、メディカルチェックにあった。後日、調査された結果によれば、チームドクターが「右肘に故障がある」と虚偽の診断書を作成したという。しかも、それを指示したのはアストロズだったそうだ。

 メジャーリーグの各球団はチームドクターに報酬を払っていない。その医師が所属する病院側が50万ドル強の“謝礼”を球団側に支払っているそうだ。有名選手を診断することがステータスとなり、絶大な宣伝効果も生まれるからだ。アストロズの事件は特異だとしても、チームドクターは「疑われる立場」にあるようだ。

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