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名医・博士の健康術 ★今週のテーマ毎日食べたい「みそ汁」

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提供:週刊実話

 今週のテーマ毎日食べたい「みそ汁」みその乳酸菌、アミノ酸etc.が腸を整え「免疫力」が上がる!1日1杯の“みそ汁”で健康&長寿は本当だ!!

 私たちが何気なく飲んでいるみそ汁には、実は現代人に必要な健康パワーが詰まっている。昔から「みそ汁は医者いらず」「みそ汁は朝の毒消し」と言われたが、現在では医学的な見地から高い健康効果があることが解明され、健康フードとして改めて注目を集めている。イシハラクリニックの副院長で、診療の他、メディア出演や執筆でも活躍する石原新菜先生も、「健康のために、毎日必ず1杯は飲んでほしい」と、みそ汁の健康効果に太鼓判を押す。
「みそ汁のみそは、大豆や塩、麹を発酵させる過程で、大豆には含まれていない栄養成分や乳酸菌、含まれてはいますが、少量のアミノ酸やビタミンが大量に生成されます。それによって栄養価が高くなり、健康効果が期待できます。また、みそ汁には様々な具材を入れますが、その具材の栄養も汁ごと摂ることができるので、お手軽かつ効率的に栄養が得られるのも、大きなポイントです」(石原先生)

★免疫力を上げる作用も

 また、みそ汁には様々な病気から体を守り、健康を維持する「免疫力」を上げる作用もある。免疫力は腸内環境が整っていると上がりやすいが、みそ汁には、みそに含まれる乳酸菌やオリゴ糖、色素成分のメラノイジン、具材から摂れる食物繊維など、腸内環境を整えてくれる成分がたっぷり含まれている。
「腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類の細菌が生息していますが、細菌の数が善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7の割合が、最も腸内環境が整った状態とされています。悪玉菌が増えすぎると免疫細胞の働きが低下してしまうので、みそ汁を習慣的に飲んで、腸内に善玉菌を届けることが大事なのです」(石原先生)

 腸内細菌のバランスは、年齢を重ねるとともに善玉菌が減り、悪玉菌が増える傾向がある。そのため、毎日のみそ汁で“腸活”を始めてみよう。

★みそ汁が持つ高い健康効果

 他にも、みそ汁には「コレステロール値の低下」「胃がんの予防」「筋肉疲労の素早い回復」「高血圧の予防」「血糖値上昇の抑制」など、幅広い健康効果が期待できる。

(1)コレステロール値の低下
 みその主原料である大豆には、悪玉コレステロールの上昇を抑えるリノール酸や、コレステロールの代謝を改善するペプチド、コレステロールの吸収を抑制する大豆レシチンと植物性ステロールなど、コレステロール値を低下させる様々な成分が含まれている。
 血中の悪玉コレステロール値が増えすぎると、心筋梗塞や心臓疾患のリスクが高まる。しかし、大豆を常食する地域では、血中の悪玉コレステロール値が低いという研究報告があるので、お悩みの方は、具だくさんのみそ汁を習慣的に飲むことを心がけよう。

(2)胃がんの予防
 国立がんセンター研究所の調査によると、みそ汁を飲む頻度が高い人ほど、胃がんによる死亡率が低くなることが分かっている。特に男性の場合、まったく飲まない人は、毎日飲む人に比べて死亡率が1.5倍もあることも判明している。

(3)筋肉疲労の素早い回復
 みそ汁の材料であるみそは、大豆由来のたんぱく質が豊富である。大豆たんぱく質は発酵中に酵素の働きで分解され、約30%がアミノ酸になるが、この中には、体内では作り出せない必須アミノ酸(トリプトファン、メチオニンなど9種類)がすべて含まれている。
「必須アミノ酸が足りていないと、たんぱく質食品をどんなに摂り入れても、十分なたんぱく質の生成はできません。だからこそ、みそ汁は毎日欠かすことなく飲んだほうがいいのです。しかも、豆腐などのたんぱく質食材を具材に加えれば、さらに効率よくたんぱく質を補給することができます」(石原先生)
 また、アミノ酸に分解されていることで体に吸収されやすくなることから、筋肉疲労が素早く回復しやすいという特徴もある。そのため、最近ではマラソン大会の水分補給ポイントに、濃度が薄くて適度に冷ましたみそ汁が用意されることもある。

(4)高血圧の予防
 塩分の過剰摂取は高血圧の原因の1つ。中には、みそ汁に含まれる塩分を気にして飲むのを控えてしまう人もいる。しかし、これはまったくの逆効果だ。実際は、みそ汁を飲んだほうが高血圧の予防につながることが、共立女子大学の上原誉志夫教授の実験によって分かっている。みそに含まれているペプチドが血圧上昇ホルモンの生成を抑え、高血圧の改善に貢献しているのだ。
 ちなみに、塩の主成分であるナトリウムはカリウムを摂ることで排出されるので、塩分がどうしても気になってしまう方は、野菜や海藻などをみそ汁の具材にするとよい。

(5)血糖値上昇の抑制
 みその色素成分であるメラノイジンには、糖の消化吸収速度を遅くして、食後血糖値の急激な上昇を抑える働きがあることが分かっている。また、メラノイジンには腸内の善玉菌を増やして悪玉菌を減らす働きがある他、強い抗酸化作用があることも明らかになっている。

★誰でも簡単に作れるみそ汁

 みそ汁の作り方は至ってシンプルだ。「材料を切る」→「だし汁で煮る」→「みそを溶き入れる」の3ステップで完成するので、料理が苦手な方でもおいしく作ることができる。

 だし汁は、何となく作るのが面倒なイメージがあるが、実は意外と手間がかからない。水を入れた鍋にだしの元になるコンブやかつおぶし、煮干しなどを入れ、煮立ったところで取り出せば、でき上がりだ。

 保存ビンに入れれば、冷蔵庫で2〜3日保存することもできる。また、冷凍用保存袋に入れて冷凍すれば、3週間保存可能だ。まとめて作っておけば、気が向いたときにおいしいみそ汁が楽しめる。

 みそ汁は、具材を替えればバリエーションは無限で、マンネリも防げる。また、みそ汁の具材には、風邪や疲れ、冷え性、ストレス、肩こり、二日酔いなど、様々な不調から脱することができる組み合わせがあるが、それについては次号で取り上げることにする。

◎免疫力を上げる!理想の「腸内環境」

●善玉菌 乳酸菌(ビフィズス菌やアシドフィルス菌など)を代表とする、腸の消化・吸収を促進する菌。体に有用な物質を作り出し、腸内の有毒物質を無毒化する働きもする。

●悪玉菌 ウェルシュ菌や病原性大腸菌など、腸の働きを鈍らせる菌。増えすぎると腸の内容物が腐敗しやすくなり、有害物質の発生率が高まる。常に善玉菌と闘っている。

●日和見菌 善玉菌と悪玉菌の、腸内で優勢なほうに同調して作用する菌。食事の内容やストレスによる健康状態の変化があると、この菌の影響で善玉菌と悪玉菌の優劣が決定する。

◎みそ汁作りの3ステップ
1:材料を切る
2:だし汁で煮る
3:みそを加える
やる気になれば簡単にできる!

◎みそ汁で期待できる主な健康効果
(1)コレステロール値の低下
(2)胃がんの予防
(3)筋肉疲労の素早い回復
(4)高血圧の予防
(5)血糖値上昇の抑制
免疫力が上がりさらに+αの効果がある!

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監修/石原新菜先生
イシハラクリニック副院長。ヒポクラティック・サナトリウム副施設長。2006年帝京大学医学部卒業。現在は父・石原結實氏のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法による治療にあたる。テレビ、講演、執筆などでも活躍中。

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