A:歯周病のうちの歯肉炎の段階でしょう。きちんと歯を磨いているでしょうか。歯磨きが不十分だと、歯の付け根に細菌が繁殖し、腫れた歯茎からは出血します。これが歯肉炎で、それが歯周炎に進むと、骨が溶けてきます。
歯ブラシを使って、歯と歯茎の境目の汚れをよく取ることが大事です。また、歯と歯の間がすいている場合、食べ物のカスや汚れがたまりやすくなります。歯間ブラシで清掃しましょう。
少し血糖値が高く、肥満気味とのこと、このことも気になります。糖尿病と血糖値は互いに深く関わりがあります。
糖尿病の人は歯周病になりやすいし、血糖値が高いと歯周病がなかなか改善しません。
一方、血糖値が安定すると、歯周病もよい状態に保たれます。そして、歯周病が改善すると、血糖値にもよい影響を与えます。
●よく噛んで食べる
ご質問の方は、今から血糖値に気をつけたほうがよいでしょう。肥満とのことですから、食事の量を減らし、定期的に運動をしてください。
食事については、早食いの癖はありませんか。唾液には殺菌作用があり、歯周病の予防に役立ちます。
しかし、早食いするとよく噛まないので、唾液が十分に出ず、その恩恵を受けられません。
このほか最近では、熟成ニンニク抽出液に出血等の歯肉炎症状を改善する効果があることが、臨床研究で確認できたとのトピックスがありました。熟成ニンニク抽出液を長年研究してきた製薬会社が発表したものです。
熟成ニンニク抽出液には、生のニンニクにはない成分が含まれているとのこと。これまでの研究でも、抗炎症などの作用があることは明らかになっていました。この抽出液が原料となっている食品を利用するのもよいでしょう。
**************************************
山田 晶氏(歯科医師)
日本歯科大学卒業。歯科の領域から骨盤のゆがみに着目。骨盤のゆがみを自分で取る方法として、腰回しの普及に努めている。やまだ治療院顧問。