食欲の秋とばかりにたっぷり飲み食いして、夜更かし。でも、朝起きて枕を見たら「あぁ〜!」。ごっそりと抜け毛を発見し、急に現実に引き戻された…なんて人も多いだろう。
カツラ最大手のアデランスが行った調査によると、日本人成人男性の約26%が薄毛だとか。これは欧州人に比べると低いが、アジア地域では一番の割合。高齢化の影響もあるといえるが、いかに日本人男性が薄毛問題に直面しているかがわかる数字だ。
そんな頭髪の悩みだが、最近、その対策として使用する人が増えているのが、AGA(男性型脱毛症)の特効薬として評判のミノキシジル(商品名リアップ)と飲み薬のフィナステリド(商品名プロペシア)。爆笑問題のCMで「お医者さんに相談だ」のフレーズが耳に残るアレだ。
育毛剤といえば、それこそ数多くの商品が販売されているが、その効果の程について詳しく知るためには、やはり自ら試みるほかない。ところがこの2つの商品は、2010年4月に日本皮膚科学会が初の診療指針を発表した際、5段階評価で強く勧められる【A】と認定され、一躍、ハゲ男性からの熱い注目を浴びることとなった。
「AGA治療を行って6カ月になります。製薬会社のホームページなどで治療できる病院を検索し、地元の皮膚科で問診を行いました。AGAと認定されれば薬が処方されます。私が飲んでいるのはプロペシアです。1日1回1錠を服用しますが、1錠が300円かかるので、月9000円の薬代がかかりますね。まぁ、飲み代と思えば安いのですが、年間を通すと負担は大きいかな。今のところ抜け毛はかなり少なくなって、心なしか髪の毛に弾力と艶が戻ってきました。40代になってから急激に前頭部が薄くなってきて、正直不安だったのですが、髪の成長具合を見て、これからが楽しみになってきました」(44歳・会社員)
また、リアップを使用して劇的に症状が改善したという38歳の会社員Sさんはこう語る。
「20代後半から30代前半で、もう額がかなり広がっていました。意地悪な友達からは、酒の席でよく“ザビエル”なんて呼ばれていたんです。ところがリアップを使い出したら、1年半の使用で頭皮が隠れるくらい髪の毛が復活してきたんです。実際、以前より若く見られますし、自然な増え方だからカツラと思う人もいません。もちろん個人差はあると思いますが、使ってよかったと思いますよ」
都内でAGA治療を専門に行う病院ではここ数年、明らかに患者の数が増えているという。
「なるべくなら若いうちに飲み始めた方がいいでしょうね。薄毛は齢を取ればそれだけ進行しますから。プロペシアとリアップは両方を併用しても大丈夫です。金銭的な負担がそれだけかかりますが、効果が上がる可能性も高くなりますね。大体3カ月くらいから効果が出始めますが、個人差がありますので、あまり焦らないで下さい」(都内皮膚科医院)
何だかハゲオヤジにとって夢のような話だが、むろん注意も必要。プロペシアを服用すると、一部には性欲減退や勃起不全などの男性機能の低下が副作用として見られることもあるという。この場合は、きちんと医師の相談を受けることが重要だ。