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舞台「高き彼物」 加藤健一と占部房子が見どころを語る

 下北沢の本多劇場で29日まで公演中の舞台「高き彼物(かのもの)」。今年、事務所設立30周年を迎えた主演の加藤健一(60)と、同事務所の公演に初めて出演する女優の占部房子(31)に、本公演の見どころや裏話など話を聞いた。

 −−加藤健一事務所は創立30周年を迎えます。
 加藤 30年なんて長くて人ごとのよう。まだ10年ぐらいの感じです。

 −−今回の演目は劇作家のマキノノゾミさんが01年に鶴屋南北戯曲賞を受賞した作品です。
 加藤 すいぶん前から上演したいと思っていました。ようやく許可が出たら、それが30周年のタイミングにピッタリ。

 −−加藤さんの故郷を舞台にしたお話ですね。
 加藤 普段は洋物(海外の戯曲)が多いうちの事務所ですが、今回は和物。しかも静岡県が舞台ということで、なにか不思議な縁を感じましたね。

 −−この作品の、どこが心に響いたのでしょう?
 加藤 マキノさんが山口瞳の「小説・吉野英雄先生」を参考に書いた作品なのですが、そこに「屑たばこ集め吸へれど志す高き彼物忘らふべしや」という短歌が出てきます。みんなで一つ事を真剣に考える、そんなまっすぐなところが好きです。

 −−占部さんは加藤健一事務所に初登場です。
 占部 加藤さんって今まで怖くて厳しい人だと思ってたんですが、そんなことなくリラックスしてケイコに臨めました。
 加藤 占部さん31歳かぁ…。僕が事務所を旗揚げしたのがちょうど31歳。舞台「審判」をやってたころですね。
 占部 そのころ私は、まだ1歳(笑)。

 −−久しぶりの“和物”ですが、いかがですか?
 加藤 最初は「やれないかも」って思いました。畳の上で演じることになるので…。同じ座るのでも洋物はイスから簡単に立ち上がれますが、和物は腰が落ち着いてしまって。一生懸命やらないと動きが出てこない。会話のシーンも多いので、腰を上げて場所を移動するのにもひと苦労。
 占部 私は逆に洋物のほうが難しいですね。

 −−今回の舞台で難しかった点はどこですか?
 加藤 生活感の良さを表現するために、役者が個々に動いて、全体を通じて細かな芝居を見せていく必要があります。だから、役者がみんな生き生きしてないと。ここが難しかったですね。
 占部 コメディーなのに爆笑シーンもなく、大きな事件もなく、普通の生活が淡々と展開していく。この全体的な流れが気持ちいいんです。それに、いいセリフもたくさん並んでますし。

 −−占部さんは加藤さんの娘さんの役ですね。
 加藤 お店を一人で切り盛りしているので、祖父と父からコキ使われ、おちおち座っていられない。だから、いつまでも結婚できない…そんな設定です。
 占部 私の実家も父と兄の2人。男は何もやりません。女に振るのが仕事みたいに思っているところがあって。だから、台本を読んでも抵抗も違和感もなかったです(笑)。

 −−今回は小泉今日子さんをキャスティングするなど、これまでにない新鮮な顔ぶれです。
 加藤 徐々に新たな風を入れていきたいと思っていたところだったので。新しい人との芝居は刺激的です。ただ、今回の配役は割とスラスラ頭に浮かんできましたね。

 −−休憩を挟んで2時間を越える大作です。
 占部 いい時間を過ごしたなって思って帰っていただける、そんなお芝居にしたいです。
 加藤 笑いあり涙あり、楽しくて感動的な舞台です。

◎ストーリー
 春休みに東京から静岡県川根に来た受験生の秀一(海宝直人)は、交通事故で友人を失った。そのとき現場で世話をした元高校教師の正義(加藤健一)のもとへ、夏休みに秀一が訪ねて来た。正義の家は食料雑貨店で、父・平八(滝田裕介)と娘・智子(占部房子)の3人で暮らしている。
 中学校の国語教師の市恵(小泉今日子)は、先輩の正義を退職した今でも心から尊敬している。この日、市恵は正義に読んでもらおうと生徒の文集を届けに来ていた。事故のトラウマに苦しむ秀一を、正義は家で預かり面倒を見ると言い出す。市恵もまた教師として秀一と真剣に向き合う。その姿に感動した正義は市恵にプロポーズした。
 1週間後、秀一の元に父親から速達が届いた。それを読んだ秀一は正義に激しく詰め寄る。それに正義は15年前に退職した真相を語り始めた。

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