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書籍『友だち幻想』が大ベストセラーになっている理由とは

 今年、大ベストセラーになった『漫画 君たちはどう生きるか』は、累計発行部数204万部を突破し、2018年で一番売れた本になった。81年前に出版された吉野源三郎さんの小説を漫画化したものが、2018年に大ヒットとなったのも異例なことだろう。

 そんな中、10年前に刊行されたにもかかわらず、『漫画 君たちは〜』に続く大ヒットを記録している書籍がある。

 「筑摩書房の中高生向けシリーズ『ちくまプリマー新書』から2008年に刊行された『友だち幻想―人と人の〈つながり〉を考える』です。今年4月に放送された『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)の中で、お笑いコンビ『ピース』又吉直樹が紹介したことがヒットのきっかけ。その後、脳科学者の茂木健一郎やタレントの壇蜜など多くの著名人が紹介したことにより、現在は累計30万部を突破。テレビや口コミで話題になったのは、『漫画 君たちは〜』と同じですね。また、10年前に発売された当初よりも、現在の方が圧倒的に売れているのもSNS効果と言えるでしょう」(大手取次担当者)

 同書は人付き合いに悩む中高生に向けて書かれており、『どんなに仲の良い友だちでも、100%理解できる友だちなんてありえない』『苦手な相手とは無理に仲良くなろうと頑張らなくて良い』『挨拶するだけの関係性も、距離の取り方ひとつ』『気の合わない人とでも一緒にいる作法を身に付けることが重要』などといった内容が、現代の若者から共感を得ているようだ。

 「SNSでの口コミ効果もあるでしょうが、本書が大ヒットしているのは、それだけ現代社会において生き方に悩んでいる若者が多いということでしょう。複雑な人間関係の中で傷つき、引きこもってしまう人も多い中、人付き合いの“処方薬”として作用しているかと。また最近では若者だけでなく、職場の人間関係に悩んでいる大人たちにも口コミで広まっていますよ」(同・担当者)

 ネット上には、
《めちゃくちゃ気持ちが楽になった》
《友だち幻想買った。読むのが楽しみ》
《ネットで評判だったので買ってみた。親にも勧めてみようかな》
 など、若者から多数の感想が投稿されている。

 生き方の指南書がこれほどまで売れているのも、今の時代ならではと言えるが、それ以上に人間関係に不安や悩みを持っている人が増えているのだろう。

 人との付き合い方に迷っている人は、手に取ってみるといいかもしれない。

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