9月19日、東京・後楽園ホールで、東洋太平洋ヘビー級8位の京太郎が、WBC世界ヘビー級15位のチャウンシー・ウェリバー(米国)と対戦した(10回戦)。日本人ヘビー級ボクサーが同級の世界ランカーと対戦するのは初めてだったが、京太郎は3-0の大差判定で、ウェリバーに勝利し、デビュー以来5連勝を飾った。
これで、世界王座挑戦が可能になる世界ランキング15位以内に入ることが確実となり、日本人ボクサーでは史上初の快挙達成となる。それでも、京太郎は「通過点」と、その先をしっかり見据えている。
陣営では今後、空位となっている東洋太平洋同級王座をめぐり、同級1位のソニービル・ウィリアムズとの王座決定戦開催を視野に入れているが、来年には世界挑戦ももくろむ。
K-1からの転向で、当初は好奇の目で見ていた周囲の環境も変わった。京太郎の活躍ぶりを評価して、JBCは今年6月、55年ぶりに同級の日本ランクを復活させ、京太郎が1位にランクインした。12月にはヘビー級新人王トーナメント開催、来春には日本ヘビー級王座決定戦を行う予定。かねがね、「日本人にはヘビー級は無理」と言われてきたが、その考えを京太郎が変えさせた。
今後、京太郎に刺激を受けて、プロレスや総合格闘技などからボクシングに転向する重量級選手が増えれば、日本ヘビー級戦線も活性化する。その意味でも、日本ボクシング界にとって、夢といえる日本人ヘビー級世界王者誕生に向け、京太郎に寄せる期待は大きい。
(落合一郎)