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名医・博士の健康術 ★今週のテーマ 米ヌカ

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提供:週刊実話

 玄米と野菜の栄養成分を、簡単に摂取できるワザを公開!「飲む米ヌカ」で動脈硬化、糖尿病、がん、認知症etc.を予防せよ!!

 元AKBの篠田麻里子が「玄米を食べて育った」という共通点を持つ男性と結婚し、「玄米婚」として話題になったが、「玄米は健康にいい」というのは、今や健康を語る上で定番のフレーズになっている。

 長年、がん治療の第一線で活躍してきた島村トータル・ケア・クリニックの島村善行理事長も玄米を押す1人で、自身も約20年前から玄米菜食(玄米や雑穀を主食とし、野菜や豆、海藻、漬け物などを副食にして、肉や魚、卵、乳製品は極力控える食事法)を始め、健康が劇的に改善したという。
「玄米菜食を始めたきっかけは、妻の花粉症でした。花粉の季節になると、目のかゆみや鼻水に悩まされ、ひどい時は外出もままならず、呼吸困難になることさえありました。そのような状態が13年も続いていましたが、知り合いの勧めで玄米菜食を始めたところ、なんと10日で症状が治まってしまいました。そこで、私も自身の食事に取り入れてみることにしました」(島村先生)

 玄米菜食のメリットは、1987年にアメリカで発表された「マクガバン・レポート」にも報告されている。当時のアメリカでは、がんや心臓病が急増していたが、これらを克服するには食習慣を改善しなければならないとあり、「最も理想的な食事」として元禄時代(1688〜1704)以前の日本の食事を取り上げている(※)。

 また、アメリカのスミソニアン博物館では、理想の食事バランスを図に示した「食の三角」を資料として納めている。食事は全体の40〜60%を穀類、20〜30%を野菜類、5〜10%を豆類や海藻類で補い、肉や卵、乳製品は月1〜2回でいいという考え方で、「毎日食べるべき食品」として玄米をあげている。

(※)日本では元禄時代に精米技術が導入されると、玄米から白米を食べる習慣が広まったが、脚気が頻発するようになってしまった(この状況は「江戸患い」と呼ばれる)。そのため、玄米を食べてた元禄時代以前の日本の食事が取り上げられたのである。

★玄米菜食で体重が7㎏減

 昔は「1日30品目」という食生活のスローガンがあったが、これだと過食になる恐れがあり、料理するのも大変ということから、現在では過去のものとされている。そこで、島村先生をはじめ多くの医師が勧めているのが玄米食だ。
「30代の頃の私は、Tボーンステーキを毎日750g平らげるほどの大食漢で、まさに『医者の不養生』ともいうべき健康状態でした。40代に入ると大腸にポリープが見つかったり、痛風が起きたりするなど、体がボロボロになっていましたが、1日3食のうち2食を玄米菜食にしたところ、何と3カ月で体重が7㎏も落ちました。疲れ知らずになって風邪も引かなくなり、自分でも驚くほどの健康体になりました。最近では様々な病気の原因となる動脈硬化まで改善し、医師である私自身も玄米の健康効果に驚いています」(島村先生)

 島村先生は、自身の内頸動脈の動脈硬化の経年的変化を長らく記録してきたが、血管壁の厚みの一部が、8年間で0.5㎜も減少したという。

 島村先生のクリニックでも、がんや心臓病、糖尿病、認知症の患者に玄米菜食を摂ってもらっている。ところが、玄米には「硬くておいしくない」「においが苦手」「消化が悪い」「調理に時間がかかる」などのデメリットがあることから、玄米食に切り替えても長続きしない人も少なくない。
「私のクリニックで提供する病院食は、食べやすく調理しているので、残す患者さんはほとんどいません。しかし、一般のご家庭だと調理に時間がかかるので、なかなか続けられないという方もいます。そこで私がお勧めしたいのが、玄米の栄養を簡単に摂ることができる『飲む米ヌカ』です」(島村先生)

★玄米の栄養が9割含まれる

 米ヌカは、玄米を白米に精米するときに取り除かれる茶色い粉末で、玄米の胚芽とヌカ層の部分が粉状になったものである。玄米の栄養成分はこの胚芽とヌカ層に集中しているので、米ヌカだけで玄米の栄養分が9割摂取できる。
「米ヌカ(玄米)には、たんぱく質や脂質、ビタミン、ミネラル(無機栄養素)、食物繊維に加え、抗酸化作用や抗がん作用があるフィチン酸、高脂血症の改善作用があるイノシトール、ポリフェノールの一種で認知症や大腸がんの予防効果があるフェルラ酸、精神や血圧を安定させるアミノ酸のGABAなど、数多くの有効成分が含まれています。米ヌカといえば、一般的にはヌカ漬けの材料になる程度のイメージしかないかもしれませんが、汁物に加えて飲めば、玄米の栄養を丸ごと摂ることができます」(島村先生)

 粉状なので玄米よりも消化がよく、胃腸にかかる負担も少ない。しかも、簡単に摂れるので、料理が苦手な人、忙しい人には特にお勧めである。

 粉状の米ヌカは、米穀店やスーパーなどで販売されているほか、インターネットや通信販売でも良質の製品が売られている。ただし、生のままだと傷みやすいので、まずは油をひかないフライパンに入れ、5〜6分かき混ぜながら煎る。これによって、ヌカ独特の気になるにおいはなくなる。焦がさない程度に煎ったら火を止め、密閉容器に移して冷蔵庫で保存する。冷蔵庫なら1〜2週間、冷凍庫なら2〜3か月保存することができる。

★汁物に入れて気軽に摂取

 米ヌカを常備しておけば、いつでもすぐに利用することができる。ご飯やおかずにそのまま振りかけてもよいが、水分がないと口の中でモソモソしてしまい、高齢者の場合は、誤嚥を引き起こす恐れもある。そのため、みそ汁やスープ、コーヒーといった汁物に溶かしてから飲むのがお勧めである。
「米ヌカをより細かに粉砕すれば、汁物に溶けやすくなります。穀物の風味がいい出汁になるので、コクが増しておいしくなります。また、コーヒーに入れると穀物の自然な甘味が出て、味に深みが出てきます。料理の味を損なわないだけでなく、プラスの効果まで与えてくれるのも、米ヌカのお勧めポイントです」(島村先生)

 米ヌカの摂取目安は、1日大さじ2杯程度(約10g)。これだけで、玄米をお茶碗1〜2杯食べるのに相当する。玄米に抵抗がある人も、「飲む米ヌカ」で健康的な“玄米ライフ”を送ってみよう!

◉米ヌカに含まれる主な有効成分と健康効果
*ビタミン:ビタミンBやE、ナイアシンなどが豊富で抗酸化作用があり、糖尿病予防や血液サラサラなどの効果が期待できる。
*ミネラル:減塩効果で高血圧を改善するカリウム、骨の形成に欠かせないリンやマグネシウムなどが含まれている。
*食物繊維:不足すると心疾患、大腸がん、糖尿病などの原因になる。
*フィチン酸:生体物質の一種で、排毒効果や抗酸化作用、抗がん作用、老化遅延などの効果がある。
*イノシトール:フィチン酸から作られる有機化合物で、肝機能や高脂血症の改善、動脈硬化の予防などが期待できる。
*フェルラ酸:ポリフェノールの一種。抗酸化作用があり、大腸がんや認知症の予防効果がある。
*GABA:アミノ酸の1つ。自律神経のバランスを整え、精神や血圧の安定に寄与する。

◉飲む米ヌカを作ろう!
作り方
(1)油はひかず、フライパンに米ヌカを入れる。
(2)焦がさないように木ベラでかき混ぜながら5〜6分煎る。
保存方法
*密閉容器に入れて冷蔵庫で保存。1〜2週間は日持ちする。
摂り方
*お茶、みそ汁、スープ、コーヒーなどに入れて溶かす。
*摂取の目安は1日、大さじ2杯(約10g)程度。

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監修/島村善行先生
医師。島村トータル・ケア・クリニック理事長。京都府立医科大学卒業。国立がんセンター東病院医長、島村トータル・ケア・クリニック院長などを経て現職。『医師がすすめる最高の食事「マクロビオティック」』(マキノ出版)他、著書多数。

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