安いといえど、もやしの栄養成分は意外と侮れない。ビタミンCや葉酸、ミネラル、食物繊維のほか美肌効果のある“アスパラギン”や便秘解消が見込める“アミラーゼ”などが含まれており、体にも良い食材なのだ。
安い上に食べ応えもあって健康にも良いとなれば、実は最強の食材ではないかと思えてくる。
しかし、残念なことにもやしが栄養面で優れているというのは、あくまで含まれる栄養素の種類の話。水分の多いもやしは、もともと含まれる栄養素の量が非常に少ない。しかも、そのわずかな栄養素も加熱調理によって破壊されてしまう。前述のアスパラギンは熱に弱く、加熱調理には向かない。
また、一般的にビタミン類は水に溶けやすく、長時間水に浸したり煮込んだりすると、栄養素が破壊されてしまう。ゆでもやしは、お湯でぐつぐつ煮込んだだけでもアウトなのに、溶け出したわずかなビタミンすらもゆで汁として捨てるのだから、最悪の調理法といえる。
「野菜マシマシ」とゆでもやしを追加して、不健康なデカ盛りラーメンを食べる背徳感をごまかしていた皆さん、これからは帰りにコンビニにでも寄って、OLに混じってサラダボウルも買って食べましょう。