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「事件法廷」15歳少女“愛人”集団強姦事件(下)

 被告Aを含めた4人がY子(当時15歳)に強姦を行ったとされる小さな公園では昼間、子どもが無邪気に遊んでいた。住宅密集地ではあるが、夜ともなると人通りはめっきり少なくなる。

 事件の争点は、Aの共犯の実行の有無とY子の任意性の2点に絞られた。弁護人は、強姦があったとされる時間帯にAは共犯者Bに頼まれて近くのコンビニで買い物をしていたと説明。「仮に強姦があったとしてもその場にいなかった」と主張した。また、Y子についてもAらが車に押し込んだのではなく自主的に乗り込んだのだとして、「逮捕監禁、集団強姦の事実はない」と訴えた。
 Y子は法廷に置かれたモニター越しに「(Aから)『一生男とできないようにする。体を傷つける』などと言われた」などと強姦の様子を詳細に語った。事件の約3カ月前にAと出会った直後にもレイプされていたと話し、「(事件当日は目隠しをされていたが)声の感じやすね毛の感じ」からAに強姦されていると分かったと証言した。

 物証は出ていないため証言に頼らざるを得ない。弁護人はY子の信用性を崩しにかかった。
 弁護人によると、Y子は事件後にブログを開設。そこで自分のことを「ヤリマン」と書き、楽しげに外出している様子などをつづっていた。「強姦の被害者としては、Y子の行動は経験上あり得ない」と迫った。さらにY子は普段から素行が悪く、最近まで少年院に入っていたとも明かした。
 攻守交替、被告人質問ではAが検察側の厳しい追及にあった。
 「Y子を愛人とし愛情があるなら、なぜB(共犯者)の暴行を止めなかったのか」と質されると、「止めようとしました。でも、Bのバックにヤクザがいたので怖かった」と弁明。捜査段階での供述との矛盾点を指摘されると、答えに窮する場面もあった。
 検察側は「AらがY子を性欲処理や自己満足のための単なる道具としてしか見ていなかった」と主張。供述の変遷がみられるなど「反省の情が全くない」とし、懲役9年を求刑した。
 弁護人は「Y子はAに恨みを持っていた」ため虚偽の証言をしているとしたが、その恨みが何なのかは明らかにされなかった。
 共犯者らはすでに懲役2年6カ月から4年の実刑判決がそれぞれ出ている。
 主犯のAに対する判決は今月16日に言い渡される。
(おわり=阿部雄二)

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