A:基本的なこととして、食生活の改善が大切です。菓子などの甘いもの、肉などの動物性食品は摂り過ぎないようにしましょう。
簡単にできるお薦めレシピとしては、納豆に亜麻仁油を混ぜた「亜麻仁油納豆」があります。
油脂(脂肪酸)にはさまざまな種類がありますが、亜麻仁油にはαリノレン酸という物質が多く含まれています。αリノレン酸は、体によいといわれるオメガ3系の脂肪酸で、体内でEPAやDHAに変化します。
オメガ3系の脂肪酸は必須脂肪酸と呼ばれ、体内で合成できないため食物から摂取するしかなく、ヒトにはなくてはならないものです。不足すると、アレルギー症状や肌荒れを始め、がんや生活習慣病の原因になります。
血液をサラサラにする作用、免疫力を向上する作用、がんを予防する作用、腸内環境を改善する脂溶性ビタミンの吸収促進作用、細胞壁の強化作用などがあります。このように、有用性が非常に高いため、積極的にとるべき油脂として位置づけられています。
●発酵食品は重要
一方、納豆は大豆を醗酵させた醗酵食品で、腸内環境を改善してくれます。腸には善玉菌、悪玉菌などの腸内細菌が棲息していますが、健康な腸はこれら腸内細菌のバランスがとれています。
食事の乱れにより腸内細菌のバランスが崩れ悪玉菌が増えると、さまざまな病気の発症に関係します。アトピー性皮膚炎の発症にも腸内環境が関係しています。
一般に、発酵させた食品は、ビタミンなどの栄養素の吸収率がよくなります。便秘の解消にもよい働きがあるため、肌がきれいになります。
アトピー性皮膚炎の改善に亜麻仁油納豆がよいと考えられるのは、以上の理由によります。納豆1パックに大さじ1杯程度の量の亜麻仁油を入れて醤油で味付けし、毎日1〜2回食べるとよいでしょう。なお、亜麻仁油は酸化しやすいため、必ず冷蔵保存してください。
食生活の改善は非常に大切ですので、根気よく継続しましょう。
首藤紳介氏(表参道首藤クリニック院長)
久留米大学病院小児科、大分こども病院、聖マリア病院、湯島清水坂クリニック等の勤務を経て、表参道首藤クリニック院長。自然療法や代替医療をはじめ、水素温熱免疫療法や再生医療(臍帯血幹細胞治療)などの高度先進医療を実践。