この日の試合はオリックスの女性向けイベントとして、毎年恒例となっている『Bsオリ姫デー』として開催されたこともあって、佐野もバファローズのロゴがピンクに縁取られた“オリ姫ユニフォーム”を着用して、マウンドに上がった。
一度大きく振りかぶったものの、緊張からか、もう一度振りかぶり直したため、3万人を超える超満員のスタンドからは「ボーク!」というツッコミも飛んだが、ソフトバンクの先頭打者、上林誠知に向かって投げたボールはワンバウンドながらストライクゾーンで、オリックスのキャッチャー若月健矢のミットに収まり、笑顔でマウンドを降りた佐野に対して、大きな拍手が送られた。
登板後、会見に応じた佐野は「あっという間に終わったイメージ」と第一声を語ると、「ボールを持とうとか、投げるまでのイメージを持てない間に始まって。やっちゃったというスタートだったのが、少し悔しい」と悔しさをにじませるも、「前回はゴロゴロだったので、真っすぐ投げられたのは良かった」と、目標にしていたノーバン投球はできなかったが、最後は再び持ち前の笑顔で前を向いていた。
なお、背番号13は誕生日の日にちから選んだとのこと。
取材・文 / どら増田
写真 / 垪和さえ