「体から余分なものを排除するには、酵素の力は欠かせません。食事量を減らす、食物繊維を摂るのも大切ですが、同時に酵素をしっかり体内に取り込んでおくことが重要です。酵素は人間の寿命を左右する存在なのです」(前出・鶴見院長)
食べたものをエネルギーに代える、呼吸をする、手足を動かすなど、これらはすべて酵素がないとできない。生命維持の源である。
だが、残念ながら、体内に存在する酵素には限度がある。誰しも齢をとると老化していくが、これも酵素の減少が深く関わっている。いかに体内の酵素を節約していくかが、長寿の秘訣でもあるのだ。
「深刻なのは、現代人は過剰な食事や大気汚染、ストレスなどの影響で酵素が常に不足しがちです。たとえば、食べ過ぎ、飲み過ぎで、一度に大量の食事を消化するのに多くの酵素が必要となります。さらに、うまく処理できなかった老廃物が体の中に留まり、メタボや便秘として溜まる。突然死やがんに罹る危険度が、ぐんぐん上がっていきます」(前出・鶴見院長)
酵素不足の疑いのある人の見分け方として、鶴見院長は以下の方法を挙げる。
・疲れやすくてだるい
・血液検査で注意される
・肩こりや腰痛などがある
・太っている(太り気味である)
・便秘である
・便やおならが臭い
・手足が冷える
・口臭がある
これらに当てはまる人は要注意。該当するなら、酵素を無駄遣いしないよう用心しなければならない。
その対策は外から補給することで対応できる。食べ物に含まれる酵素、いわゆる食物酵素を意識して摂るのだ。これに関しても鶴見院長が解説する。
「パイナップルやバナナ、キウイなどの果物は酵素を豊富に含んでいます。それらをジュースにして飲む。そのとき、ジューサーは酵素を壊さないよう低速設定にしましょう。また、野菜ならだいこんやカブ、タマネギやにんじんなど。これらをすり下ろすことで、酵素は何倍にも増加し、引き算効果も倍増です。あと、納豆や漬物などの発酵食品もいい。それをできれば毎食、少なくとも一日一回は必ず摂るといいでしょう」
気を付けてほしいのは、酵素は熱に弱い性質という点。絶対に加熱調理は避けるべきである。
野菜や果物は食物繊維も多く含んでいて、続けることで腸内環境が劇的に改善する。腸内をキレイに、元気にすることで便秘解消、血液循環もよくなり、免疫力がつき病気に負けなくなる。代謝も高まり、ダイエットもできると、いいことずくめだ。
食事の量は腹六分とする。食物繊維たっぷりの食材を摂る。酵素を含む果物や発酵食品を食べる。これら三位一体の引き算健康法で体の大掃除だ。生活習慣病対策は思い立ったらすぐ行動、である。