元々、熱狂的なプロレスファンだった脇は、大仁田厚と番組で共演した縁で、大仁田自主興行08年12・31東京・新木場1st RING大会でプロレスデビュー。昨年12・27新木場では大仁田自主興行に、再度参戦し、メーンイベントの有刺鉄線デスマッチにも出場した。
過去、2試合のプロレス経験がある脇が、今度はアパッチプロレス軍に所属し、俳優とプロレスラーとの二足のわらじを履くという。第1戦はアパッチ再始動となる12・17新木場大会で、黒田哲広とタッグを組み、金村キンタロー&ヤス・ウラノと対戦する。
これまでにも、タレントがプロレスに参戦することはあった。活動停止となったハッスル・エンターテインメント(現在、ハッスルを名乗る団体は別組織)では、インリン・オブ・ジョイトイやレーザーラモンHGらがレギュラー出場していたが、これは演劇を主としたショー的要素の強いものであった。
アパッチは弱小とはいえ、通常のプロレス団体。エンターテインメント性を重視した団体ではない。ましてや、スポット参戦ではなく、団体所属となるのは、ただごとではない。
その背景には何があったのか?
「『ごくせん』が終わってから、脇はこれといった活動をしていません。仕事が全くないわけではありませんが、減っているのは確か。プロレスをやることで話題作りをして、本業の仕事を増やす算段ではないでしょうか」(某テレビ局関係者)との説も…。
ベテランのプロレスライターのA氏は、「大仁田興行では素人ということで、対戦相手もかなり気を遣っていました。しかし、本格参戦ともなれば、そうもいきません。よほど、しっかり基本練習をしないと、大ケガしかねません。ケガでもしようものなら、本業にプラスになるどころか、仕事ができなくなります。脇がプロレスを甘く見たら大変なことになります」と厳しい評価を下す。
脇本人は、「プロレス界に恥じないよう、全力でぶつかっていきたい。やるからには真剣にやっていきます」と殊勝なコメントを残したが、プロレスをなめたら、大ケガにつながることを肝に命じて、やってほしいものだ。プロレスは、付け焼刃でやれるほど、甘いものではないだろう。(ジャーナリスト/落合一郎)