そもそも痛風は、明治時代以前の日本にはなかった病気ですが、食事の西洋化により飲酒や動物性たんぱく質の摂取が増加し、徐々に増えてきました。足の親指の付け根に激痛や発赤、腫脹が突如生じるのが特徴で、足の関節やアキレス腱や膝といった他の部位で発作が起こることもあります。あくまで暴飲暴食を控え、適度な運動と血中の尿酸値を高めないことが重要です。
以前は肉食の制限が予防の基本でしたが、現在は肉からの直接の尿酸の生成は少ないことが分かっており、各品目をまんべんなく摂取することがよいとされています。高尿酸血症を長期間放置すると、腎臓に尿酸結晶が沈着して腎不全を起こしてしまいます。最近は副作用が少なくて、尿酸を低下させる薬剤も使えるようになっています。尿酸値を定期的に検査してもらい、しっかりとコントロールすることを心がけましょう。
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監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPはhttps://ijiri.jp