武藤の弱点はヒザだけではない!
この日、Aブロック公式リーグ戦で、2006年覇者の太陽ケア戦に臨んだ棚橋。序盤から場外戦に持ち込んでドロップキックをたたき込むと、さらにエプロンからトペスイシーダを発射。場外でダウンするケアを尻目に、リング内に戻って両手を広げ、会場全体にフェロモンを振りまいた。
だが、ケアに脳天唐竹割りから急角度バックドロップで逆襲を受けると、TKOからパイルドライバーで脳天からマットにグサリ。首を徹底的に攻め込まれてピンチに陥った。それでも猛攻を耐えしのぐと、フルネルソンで反撃ののろし。スリングブレイドで追い込むと、最後はハイフライフロー2連発でケアを圧殺した。
初出場初優勝に向け、絶好のスタートを切ったフェロモン王子。新日プロ選手による春の祭典制覇となれば、前人未到の大記録達成となる。試合後は「全日本のリング、勘違いしてるな。オレはゲストじゃねーぞ。ウエルカムで迎えるのはいいけど、狙ってるのは優勝だけだ」と余裕の優勝宣言をぶっ放った。
そればかりか、きょう7日に激突するディフェンディングチャンピオンの武藤に対しても「オレの試合見てビビッてんじゃないかな」と挑発した。
リーグ戦最大の山場となる武藤戦を前に、余裕しゃくしゃくのフェロモン王子。自信の裏には秘策があるようだ。
棚橋は3月24日の会見で武藤のヒザ破壊を宣言していたが、戦術はそれだけではないという。「頭部への攻撃が有効なんじゃないかな。オレみたいにフサフサしてないから、ダメージが溜まるかもしれない。天才だけに1031発くらい攻撃をブチ込もうかな」
ヒザ破壊を宣言しておきながら、まさかの作戦変更で武藤を混乱させようという狙いもあるらしい。その上、ダメージを頭部に与えれば、常に他の選手の星取を意識している武藤コンピューターにも狂いが生じてくるはず。
武藤戦に向けて危険な香りを漂わせる棚橋。全日プロのトップを倒し、一気に春の主役奪取を狙っている。