「WHO IS THE BEST」と銘打って行われたダブル世界戦は、内藤と坂田が防衛に成功。結果は文字通りベストを証明したわけだが、最後に笑ったのは亀田家の長男、興毅だった。
内藤の世界戦後、スルスルとリングに上がった興毅は、内藤の勝利を祝福しつつ対戦をアピール。TBS関係者は「あんな話は聞いていない」と報道陣に「アクシデント」を強調したが、そんな言い訳に納得する記者はひとりもいない。亀田の出来すぎたリングジャック成功で、スポーツ各紙には「亀田」の見出しが躍る結果となった。
亀田にとっては2人の試合内容もおいしかったに違いない。あるボクシングジム会長は興奮まじりに解説した。
「坂田は終始ペースを握っていたけど、相手の久高にあれだけ逃げ回られて判定勝ちでは、むしろ非力な印象を残しただけ。内藤に至っては格下の清水に大苦戦。最後は鮮やかな逆転KOで盛り上がったように見えるけど、年齢による衰えを印象付けてしまった。ファンは2人の試合を見て、ひょっとしたら亀田の方が強いんじゃないかって思っちゃったよね」
某民報スポーツディレクターは、TBSの手腕と亀田の強運に感心して見せた。
「今回のダブル世界戦には、亀田を絡めないと聞いていたんだけどね。実際に事前の宣伝番組では亀田のカの字も出していなかったんだから。それがふたを開けてみれば、亀田が登場して最後のおいしいところを全部持っていってしまった。これでまた亀田を中心に話は進むよ」
もし今回の試合で内藤と坂田の株が上昇していれば、両者にとって落ち目の亀田は格好の踏み台になるはずだった。しかし、TBSの戦略と亀田ファミリーの強運によって、またしても主役の座はお騒がせ一家の手に渡ろうとしているのだ。
前出のスポーツディレクターは次のように続けた。「内藤が国民的ヒーローになったのは亀田のおかげだし、坂田がいまだに日陰の存在に甘んじているのも亀田の影響が少なからずある。要は2人とも亀田の呪縛(じゅばく)から逃れられないんですよ」
TBSの思惑通りにことが進めば、年内にも内藤VS亀田が実現する見通し。内藤が再び主役の座を奪回するには、もちろん勝利あるのみ。もう一度、「国民の期待」に応えるしかない!