たまに、どこかへ逃げ出したくなるくらい、日々の仕事って大変ですよね。私も最近、暑さの影響もあって、雄叫びを上げることが多い。特に、外回りの皆さんには拍手を送りたいです。
今回ご紹介するのは、仕事が忙しくて時間がない人でも、素敵な旅ができちゃう作品。しかも、ただの旅ではなく、アジャと行く奇想天外な旅なんです!
アジャとは、今作品、『クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅』の主人公。ムンバイに住むアジャは、小さい時からイリュージョンやマジックショーを披露し、お金をもらって暮らしてきました。時々盗みもするのですが、それはすべて、会ったことがない憧れのパリに住む父親に会いたかったから。しかし、計画をしている最中、一緒に行くはずだった母親が他界してしまいます。それでも父親に会いたい気持ちが強く、母親の遺灰と偽物の100ユーロを持って、やっと着いた憧れの街、パリ! そして、輝いて見える街には子どもの頃に親しんだ大手家具屋さんが! はい、この大手家具屋さんから奇想天外な旅が始まるのです。
原作は、ロマン・プエルトラスの『IKEAのタンスに閉じこめられたサドゥーの奇想天外な旅』。タイトルにもある私の故郷、スウェーデンが誇る家具屋IKEA。映画では別の店名になっていますが、黄色と青の店内や家具のネーミングはIKEAのまんま。そこでアジャは、とある女性と運命の出逢いをします。
恋と旅、これさえあれば映画は本当に面白くなります。でも、その向こう側にはもう一つのテーマが! それは“運”です。人生は運ですべてが決まる。どこの国の、どの家族に生まれたのか、ちょっとした時間のズレで、もしかしたら人生は大きく変わっていた!? そんなことを思わせる作品。
もちろん、仕事を成功させるためには“努力”も大事ではありますが、“運”も必要。IKEAで出会った素敵な女性と、どんな運命が待ち受けているのか?「出会ったんだから即告白すればいい」と、普通は思うのですが、アジャの運命は違っていました。お金がなく、家具店のクローゼットの中で“一泊”していると、そのクローゼットは運悪く、他の国へと出荷するものだったんです!
さまざまな人との出会いと、インド、フランス、イングランド、スペイン、イタリア、リビアへと続く旅。少しだけ、仕事の合間に、自分に癒やしを与えてもいいのでは?
さぁ、映画館へGO!
画像提供元:(c)2018 Copyright BRIO FILMS - SCOPE PICTURES - LITTLE RED CAR - TF1 DROITS AUDIOVISUELS - SONY PICTURES ENTERTAINMENT FRANCE All rights reserved. Brio Films @Sébastien Bossi
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■クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅
監督/ケン・スコット 出演/ダヌーシュ、ベレニス・ベジョ、エリン・モリアーティ、バーカッド・アブディ、ジェラール・ジュニョ 配給/東北新社 STAR CHANNEL MOVIES 6月7日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開。
■インドの貧困地域で育った青年アジャ(ダヌーシュ)は、母の死をきっかけに、1枚の偽札を持って父を探すためにパリへ行くことを決意する。憧れのインテリアショップを訪れると、お客のアメリカ人女性のマリー(エリン・モリアーティ)に一目惚れ。次の日にデートの約束を取り付けるも、その夜の宿のアテがなかったアジャは、やむなく閉店後の店内で一夜を明かすことに。しかし、入り込んだクローゼットが真夜中にトラックで搬出されてしまう。そこからアジャは、世界を巡る奇想天外な旅に巻き込まれていく。
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LiLiCo:映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS「大様のブランチ」「水曜プレミア」、CX「ノンストップ」などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。