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野球 上原スクランブル態勢 CS連投辞さず

 セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)第2ステージ2戦目が23日、東京ドームで行われ、巨人が中日に11-2で大勝した。昨シーズンと合わせ中日相手にCS4連敗を喫し、日本シリーズ進出に黄信号が灯っていたが、同シリーズ新記録となる17安打で復活の狼煙をあげた。日本シリーズ進出を誓う巨人は、この日先発した上原のスクランブル登板の可能性が浮上してきた。

 巨人が2年越しの白星を手にした。
 開幕戦を最多勝右腕グライシンガー、セーブ王・クルーンの乱調で落とした。さらにチームの盗塁王でもある鈴木尚広の負傷交代もあり、CSシリーズ突破に暗雲が垂れこめていた。
 この日は上原浩治で万全を期した。
 北京五輪後、スランプから復調した上原が8回を2失点に抑え、先発の役目を果たす。打線も4本塁打を含む17安打、11点を叩き出す猛攻。終わってみれば一方的な完勝劇だった。
 これでアドバンテージの1勝を含め、2勝1敗と一歩リードした。
 まさに悪夢を吹き飛ばす1勝となったが、その背景には「プレーオフのワースト記録を更新してなるものか」という反骨心があった。
 巨人は今年のCS開幕戦で中日に敗れ、プレーオフでの同一球団からの連敗記録を更新した。第2戦も敗れれば、チームの士気は著しく下がってしまう。去年の二の舞となり、CSで1勝も挙げられないまま敗退しかねない状況だった。
 それだけに、上原も「日本シリーズで投げたいという気持ちで投げた。今日はチームとしては最高の試合ができたんじゃないですか」といつも以上に気合を入れていた。
 6打点を挙げた打のヒーロー、小笠原も「上原の(内野安打の)全力疾走で火がついた。みんながつないで打たせてくれた」とチーム一丸となって勝利をつかみ取ったことを強調した。
 「理想的な点の取り方ができた。全体的に(選手)全員の肩の力が抜けていて、いいものが出たと思います。短期決戦なので次戦に集中したい」(原監督)と逆襲のきっかけを掴んだ。
 反骨心を胸にチームが一丸となった。先発した
上原も「(プレーオフは)負けたら終わりですから。投げろ、と言われたら、もちろん」とスクランブル登板も辞さない覚悟だ。
 上原は先発した10月の試合は、7戦全勝(リーグ戦5戦5勝、日本シリーズ2戦2勝)と記録を更新中。勢いに乗った巨人は、このまま日本シリーズ進出を決めることができるか。

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