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痛み悩みの相談室 こむら返りは、なぜ起こる?

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提供:週刊実話

 「こむら返り」とは、ふくらはぎの筋肉である腓腹筋がつる、けいれんを起こしている状態のことをいいます。かつて、ふくらはぎを「腓(こむら)」と呼んでいた名残りで、このような名がつきました。地方によっては「こぶら返り」とも呼ばれています。また、足の裏や太もも、手指の筋肉などで起こることもあります。このこむら返りは、筋肉の伸び縮みのバランスが何らかの原因で崩れ、筋肉が収縮したままになることで起きる現象です。痛みをともない、ひどい場合は筋肉の不全断裂(肉離れ)を起こすこともあります。ありふれた現象なのですが、詳しい原因については、よく分かっていないのが実情です。

 激しい運動の後で筋肉が極度に疲れていたり、水泳で冷えて血行が悪くなったり、脱水などで電解質のバランスが悪くなると、こむら返りが起きやすくなります。また、妊娠中の下肢血行障害や体重増加による筋肉疲労も、こむら返りを引き起こす一因になります。高齢者にも多く、数人に1人は夜間や夜明け前に生じるといわれています。

 さらに、糖尿病や肝硬変、腎不全、透析、甲状腺機能低下症といった病気が原因で、こむら返りが起こることもあります。腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛があるときも、こむら返りが生じます。他にも、利尿剤などの薬剤を服用したときに、血液や体液の電解質バランスが悪くなって生じることもあります。

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監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPはhttps://ijiri.jp

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