過去最高となる1,855組がエントリー。170組に1組という狭き門を勝ちあがった千鳥がグループA、ウーマンがグループB、NON STYLEがグループCを制して、ファイナルラウンドで激突。大会初となる、同じ事務所(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)の同期対決となった。
千鳥とノンスタは、2000年にコンビを結成。今年、“ゲス芸人”でブレイクしたウーマン・村本大輔も、ほかの相方で00年にデビューしていた。ところが、アクの強い性格で、歴代の相方が全員逃げ、「10回以上もコンビを解散してきた」。現在の中川パラダイスとは、08年からの活動となる。
ウーマンはこの日、村本が中川の発言の揚げ足を取り、片っ端から否定していく超高速漫才を披露。スタジオに笑いの地鳴りを轟かせ、最高顧問のビートたけしが、「現場の勢いの強さがあった」と分析するほどの貫録だった。
優勝が決まった瞬間、村本は柄にもなく顔を抑えて、目を潤ませた。いっぽうの中川は、「やった〜! 優勝やで」と天真爛漫に連呼。キャラを思いだした村本は、「俺が作ったネタやから、お前が喜ぶ権利はない」と叱りつけた。
大会後の囲み取材では、たけしが、「まずは前科を持つこと。バイク(事故)で死にかける」と、自身の経験を踏まえた毒舌たっぷりのアドバイス。村本といえば、ファンに手を出すことをセールスポイントにしているが、「そろそろプロの方に手を出していこうかと。それを外食産業と呼んでいるんですが」と笑わせ、「今後もファンに手を出していきます!」と公約した。
昨夜は大会後、村本は東京・目黒のバーでひとり飲み。文字どおり、勝利の美酒に酔った。いっぽう、既婚者でパパの中川は、帰路のタクシーで手持ち金が足りないことに気づき、途中で下りて、徒歩で帰宅。“食えない芸人”の名残を、肌で感じた。
しかし、来年からは、フジでレギュラー番組がスタート。同夜の段階で、8番組から出演オファーが舞い込み、14年は超売れっ子になることが確定。チャンスをどこまで飛躍させられるか。その手腕が問われる1年となりそうだ。(伊藤雅奈子)