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歌蔵のロッケン問答 MAGUMI前編

 今回のゲストはLA-PPISCH(レピッシュ)のMAGUMI(マグミ)。歌蔵師匠とファッションと音楽の関連性について熱く語り合った。

 −−マグミさん、今もコンスタントにDJやってますよね。
 「週に1回くらいかな」

 −−何回かマグミさんのDJイベントに行ったけど、いつも酔ってベロベロになっちゃう(笑)。マグミさん乗せ上手だから(笑)。
 「そんなことはないけど(苦笑)」

 −−マグミさんはデビュー前からずっとファッショナブルでしたね。
 「いや、昔から日本のロックバンドってどれもダサかったから。どっちかというと小汚い(笑)」

 −−なかなか言いますねえ(笑)。
 「おれたち洋楽志向だったから。そこを逆手にとって、おれたちオシャレでいったほうがよくないか、と思ってね」

 −−80年代当時、ロック雑誌でのマグミさんの紹介記事はファッション雑誌か!?、と錯覚するほどだった。今はそんな雑誌多いけど、当時のレピッシュは斬新だった。
 「スーツ着てロックやるのが面白いんじゃないかと思ってね」

 −−レピッシュは、新世代のクレージーキャッツのようなイメージがあった。向こうのミュージシャンで一番影響受けたのは?
 「基本的にビートルズなんだよね。けどシーンで一番影響受けたのはパンク・ニューウェーブ。そこらへんは歌蔵くんもそんなに変わんないと思うけど」

 −−そうそう、年ひとつしか変わんないからまったく一緒。思い返すと、おれもパンク・ニューウェーブに一番影響を受けたなあ。
 「カッコいいと思ったのね。ビートルズは良い音楽だと思ったけど、カッコいいとは思わなかった。パンクにハマって、ニューウェーブで間口が広がった。新しいものを求めていたのかもね。ニューウェーブって基本的にジャンルじゃないし。人のやってない音楽をやるという発想が面白かった。踊りに目覚めたというのもあったね」

 −−熊本から上京する前にパンクバンドとかやってたんですか。
 「実は学祭バンドくらいしかやってなかったんだ。おれが19の時、東京に出てきて本格的に組んだ最初のバンドがレピッシュ」

 −−もともと、ファッションセンスは地元で磨いてたの?
 「そう。周りにオシャレなやつが多かったから。いうなればおれたちポパイ世代じゃない? アメカジを吸収してトラッド、アイビーというものを通過したのかな」

 −−当時、ニューウェーブのおかげでファッションと音楽が結びついたというか。
 「昔から結びついていたんだけど、日本人が分からなかったんだよね」
(来週に続く)

<プロフィール>
MAGUMI 1963年9月24日生まれ。日本スカ・パンク界のルーツ、LA-PPISCHのボーカル&トランペットとして87年のデビュー。01年からはソロ活動も開始。今年6月には、渡辺蕗子(exショコラータ、スリル)、いしだ壱成の3人からなるユニットVenus&Marsとして、ファーストアルバム「Blue print」をリリース。

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