すでに9月からの最終予選進出が決まっている岡田ジャパン。この日はバーレーンとの消化試合だったが、アウエイで敗れた相手へのリベンジとともに、グループ1位通過のため、わざわざケガの不安が残る中村俊輔を使ってまで勝ちにこだわった。
それでなくとも白星がノルマだった。というのも、指揮官には負けられない理由があったからだ。日本代表関係者が言う。「日本は過去のアジア予選で同じ相手に2敗したら、最終予選を突破したことがありません。もしバーレーンに負けれてしまえば、最終予選でマスコミからこのジンクスについて、あーだこーだ言われる。監督が躍起になっていたのも当然ですね」
主力選手が来日していないバーレーンとは対照的に、岡田ジャパンは最終予選を考慮して警告が1枚ある海外組の松井大輔と長谷部誠こそ温存したが、ほぼベストメンバー。その甲斐あってか、試合は終始日本ペースに進んだものの、最後までゴールは遠かった。
だが、ロスタイムにDF内田の巻へのパスがそのままゴールに吸い込まれる“ラッキー弾”。悲願のリベンジを果たした。
第2次岡田政権を象徴するニューエイジの内田が決勝弾をあげ「ドロ臭い点を取ってくれてうれしい」と喜びを爆発させた指揮官だが、それもそのはず。内田は4月に第3腰椎(ようつい)横突起骨折をした影響で腰に違和感を抱え、当初「試合に間に合わない」として離脱も考えていたが、実は代表チームから「リハビリのつもりでやればいいから」と激励され、この日のバーレーン戦出場に繋げた。そんな内田がグループ1位通過をきめる貴重なゴールを奪ったことから岡田監督の喜びもひとしおだった。
土壇場で3次予選グループ1位通過を決めた岡田ジャパン。27日に組み合わせが決まる最終予選に向けて大きな弾みをつける1勝となった。