ここ茨城県にも、「水戸の大工」との呼称で地元のスケベたちから親しまれるソープ街がある。数軒の店のネオンが灯る泡姫たちの街。一時はそれなりに活気もあったが、現在、往時の面影はない。そんなこの地に、巨大なソープランドの廃虚があった。宮殿を模した泡のお城で、その美的感覚はまさしくバブルである。
驚かされたのは、その広さ。600坪の土地に建てられているだけあり、実に贅沢な空間だ。壁画、池、赤い絨毯と、いずれも豪華な造り。しかしこのお店、床に落ちていた料金表を見ると入浴料は1万円。すると、サービス料を入れても約2万円で遊べる店ということか。肝心の個室も東京では考えられない広さで、1フロア4室、この規模で全16室しかない贅沢さ。広いバスタブ、どんな無茶でもできそうな洗い場。
しかし、この店は建物の規模と個室の広さが命取りに。大きな器は、部屋の稼動率が落ちれば、それだけで赤字。水戸の大工で、もっとも早い閉店となった……。