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競輪穴男列伝 コース取り巧い佐野哲に妙味

 選手の強さを点数で評価した場合、軽視されている佐野哲也(静岡・64期)だが、今期S級に戻ってからは穴男そのものだ。
 まず、静岡GIIIの3日目補充で3角9番手の不利な位置からインをスルスルと伸びて小宮剛(東京)の2着。2車単は小宮-佐野で2万9320円。3連単も小宮-佐野-北沢育夫(神奈川)で32万1290円の超大穴を出した。
 さらに防府FI戦。初日予選の8番車佐野は「33バンクは好きじゃない」といいながら大久保聡(鹿児島)大内達也(宮城)の3着に10秒1の差し脚を見せて突っ込み、あわや頭に抜ける伸びを見せている。3連単が5万2620円だから佐野が頭に抜けていたら超大穴だった。

 デビューは平成2年の8月静岡。それから19年、225勝を挙げ、2着234回、3着222回、3連対率は通算46.3%と高い。
 それにしても39歳の佐野が10秒1の追い込み脚を使えるのは「最後まで勝負をあきらめない」根性があるからで、渡辺晴智(73期)高橋健太(80期)らとの「良山会」グループリーダーとしての練習の成果が出ているのだろう。
 しばらくは西日本のFI回りとなっているが、東に斡旋された時にはコース取りの巧い佐野の追い込みを狙ってみたいところだ。

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