まず、退所後に最も出世したと言えるのが郷ひろみだろう。すっかり大物芸能人の一人となった郷だが、実は1971年にジャニー喜多川氏にスカウトされる形でジャニーズ入りし、シングル『男の子女の子』がヒットするなど、まさにスター街道を歩んでいた。しかし、1975年、郷が18歳の時に退所を決意。多忙な生活に追われ、このままだと何のスキルもないままになり、世間から見放されることを恐れたという。その後、一時、芸能活動を休止するも、大手事務所「バーニングプロダクション」へ移籍したことで、干されることなく現在まで活躍を続けている。
また、最近はスキャンダルばかりが目立つ川崎麻世も実はジャニーズ事務所に所属していた一人である。絶頂期はブロマイドの売り上げナンバーワンを記録するほどだったが、俳優への道に本格的に進みたいとの想いから1989年に事務所を退所した。それまで事務所は川崎を売り出すために多額の投資をしていたと言われていて、決して円満な退所ではなかったようだが、舞台での活躍や恐妻家タレントとして人気に火がつき、テレビでの需要が増えたようだ。ちなみに川崎は、香取らがジャニーズ事務所を退所する際、「(自分も事務所に)大切にされていたと感じるし、SMAPもジャニーズに貢献したと思う」とコメントしている。
さらに意外なところだと、AAAの日高光啓も元ジャニーズ事務所のタレントだ。日高はNEWSの小山慶一郎と同期で、ジャニーズJr.時代はたびたび雑誌に登場することもあったほど。しかしラップをやりたいとの想いから2005年に事務所を退所し、その後は、avexのオーディションに合格して、AAAのメンバーとして活躍している。
緩和されつつあるといえ、まだまだジャニーズ事務所の圧力は避けられないようだが、退所後に活躍することも不可能ではないのだろう。