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北京五輪に合わせるように調子を取り戻してきた上原浩治

 スポーツ選手は、ゲンを担ぐ。プロ野球も例外ではない。無精ひげの理由を聞くと、負けるまでは剃(そ)らないと答える選手は珍しくない。北京五輪、星野ジャパンのゲン担ぎは、巨人の上原浩治。代表に選出されたときは周囲から批判の嵐が巻き起こったが、日に日に評価は高まるばかり。星野監督は、上原が持つツキを見越していたのだ。

 星野ジャパンは、本番に備えて神奈川県川崎市のジャイアンツ球場で合宿の真っ最中。7日まで調整し、北京五輪が開幕する8日と翌9日に、パ・リーグとセ・リーグの選抜チームと強化試合を行い、10日に北京入りする。
 1次リーグの初戦、キューバ戦は13日。余裕を持っての日程からは、五輪最後の開催になるかもしれない北京に賭ける星野ジャパンの意気込みが伝わってくる。
 「やらなくちゃいけないという使命感が強い。万全の準備をして、最高の結果を出してきます」
 合宿入りする前、上原はそう決意を語った。選出されたときに、多くの批判の声を耳にしていただけに悲壮な覚悟だった。しかし、今はすっかりリラックスしている。
 球宴直前、五輪出場前の最後の登板だった7月29日の広島戦。2回を3奪三振、無失点。今季の初セーブを挙げた。しかも、ここまで5試合連続無失点だった。
 「もう大丈夫。安心して(五輪に)送り出せる」と、原監督は太鼓判を押したほど、かつての上原の姿に9割方、戻っていた。
 「直球は140km台中盤、持ち味のフォークの落ちも悪くなかった。下半身に粘りが出てきていた。あとは自信を持って投げられるかどうかだけ。乗せるのがうまい星野監督だから、北京入りするころには万全になっているはずです」(スポーツ紙巨人担当記者)
 前ヤクルト監督の古田氏が「オールスターや国際試合で、いろんな投手の球を受けてきたが、一番びっくりしたのが上原。球の伸びが違っただけではなく、コントロールが抜群だった」と述懐したことがある。星野監督も、もちろんそれが分かっていたから、必ず復調すると信じて選出したのだろう。
 しかし、上原に期待する理由は、それだけではない。
 国際大会にめっぽう強く、ツキがあることだ。
 97年、アジア選手権のフィリピン戦で先発したのをスタートに、これまで23試合12勝1セーブ。途中降板しても敗戦投手になったことがなく、防御率も1.95と文句のつけようがない。
 2006年のWBCでは中国、アメリカ、韓国の3試合に先発し2勝。優勝の原動力になり、昨年の五輪アジア予選では韓国と台湾戦で救援登板、それぞれ1回を完ぺきに抑えてみせた。
 「先発も救援も、こなしてこの成績は、おそらく上原しかいない。『ウエハラ』とコールされれば、あのキューバでさえ、緊張感が走る。不調だったときでも、星野監督が『上原は絶対、選ぶ』と譲らなかったのは、その存在感とツキに賭けたのではないか」
 そう分析するのは、球界の長老。話はさらに飛んで、「上原がメジャー、大リーグ入りをアピールするには、今度の五輪が最後のチャンス。今季、前半不調だったのが幸いして、肩を酷使していない。信頼する星野に言われれば、どんな場面でも投げるはず。それがメジャーのスカウトにどう評価されるか見ものだ」
 巨人入りした当時から大リーグをアピール。松井秀喜のポスティングによるヤンキース移籍の援護射撃にもなった。
 上原も、すでに32歳。日本では中堅クラスの投手がメジャーで活躍するのを、おそらく歯がみする思いで見てきただろう。
 「周りがどうこうではなく、自分の調整をしっかりしたい。日本の野球界の代表だということを頭に入れて、日本のレベルの高さを見せないといけないという思いがあります」と上原は言う。
 日本代表の、もうひとりの抑え役、藤川は「僕がクローザーなんて、とんでもない。やっぱり、(クローザーは)上原さんしかいません」
 藤川→上原は、日本の必勝パターン。上原には、それがメジャーへの道につながる。

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