これらを統括し、ときに神社内の人事にまで介入してくるのが、神社本庁である。その神社本庁は、政権中枢と強く結びついている。これら神社界のトップ、別格といわれる伊勢神宮では、2013年に「式年遷宮(しきねんせんぐう)」という儀式が行なわれた。敷地内の社殿や設備などの大規模なリニューアルをしたのだが、その費用は550億円にも上ったという。その大半は伊勢神宮のお札をさながらパーティー券のように販売することで賄われた。
前述したように、もともと神社には決まった建物がなかった。儀式のときだけ簡素な社殿をつくり、終わると撤去していたという。建物はあくまで仮設に過ぎず、祀るのは神そのものである、という日本人の考え方がそこにはある。そんな時代の名残をとどめる儀式が式年遷宮である。大手の有名神社では数十年に一度、巨額の予算をかけて行なわれるのだが、これが金集めイベントであり、政治的なショーとなっていると指摘する声も高い。