オリックスでは2015年からキャンプ地を沖縄県の宮古島から、宮崎市の清武に移転、2016年からは第2球場が完成し、ファームも宮崎に移転。春季キャンプの一本化を実現させている。福良淳一前監督時代は、一軍と二軍の入れ替えを積極的に行っていたが、これは西村体制になってからも引き継がれるようだ。
今年はルーキーのドラフト3位、荒西祐大(Honda熊本 / 投手) と、ドラフト4位、富山凌雅(トヨタ自動車 / 投手)の2選手のみが一軍スタート。開幕スタメン、クリーンナップ候補の右の大砲として期待されているドラフト2位の頓宮裕真(亜大 / 内野手) は二軍スタートとなった。実戦形式での結果を踏まえた上で、約1か月に渡るキャンプ期間中に、見極めていくものと思われる。
今年のキャンプでの注目は、先発ローテーション争いだ。確定しているのは、今年24歳を迎え今年から若きエースを担う山岡泰輔、ディクソン、アルバースの3投手のみ。ここに、先発転向を視野に入れている“神童”山本由伸、黒木優太、そして、昨年先発として実績のある東明大貴、榊原翼、さらに、由伸、榊原と同期の山崎颯一郎らが絡んでくれば面白い。また、二軍スタートの田嶋大樹が順調に回復すればローテ入りは確実視されており、同じく左腕の松葉貴大や山崎福也も黙っていないだろう。由伸の先発転向が固まれば、セットアッパーも近藤大亮、吉田一将を軸に、若い投手陣による競争が激化するのは確実だ。
野手で注目は、高卒2年目の西浦颯大外野手が一軍スタートの切符を手に入れた。昨年の宗佑磨のような活躍が期待されている選手だが、外野手登録となった宗、そして本来であればレギュラーになるべき男、後藤駿太、武田健吾、そして、昨年活躍した小田裕也らとともに、少ない外野の残り枠を争うことになる。内野手では、頓宮が二軍スタートになったことで、西野真弘がサードのポジションを死守すべく猛アピールしたいところ。安達了一、大城滉二、福田周平による二遊間争いも注目である。また、新外国人選手、メネセスの長打力も期待したい。得点力の強化はキャンプの間にある程度の目処をつけておきたい。吉田正尚、ロメロ、T-岡田に、メネセス、マレーロに目処がつけば心強い。
このオフは、例年とは違う自主トレに励んだ選手が多かっただけに、新生オリックスの船出となる今年の春季キャンプは期待感の塊以外ない。そんな選手の姿をシーズン前に生で観られるキャンプは生観戦がオススメ。バファローズタウンとして、球場エリア全体がテーマパークのように楽しめるだけに、宮崎に足を運んでみてはいかがだろうか?春季キャンプは清武総合運動公園で、3月3日まで開催される。
取材・文 / どら増田
写真 / 中村実愛