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痛み悩みの相談室 突き指を「引っ張って治す」は×

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提供:週刊実話

 「突き指」は病名ではなく、ケガの仕方のことをいいます。例えば、指先にボールが当たったとか、壁に指先からぶつけたとか。そして、突き指をすることによって指の関節に捻挫か脱臼か骨折を起こすことがあります。

 捻挫とは骨折も脱臼もなく、関節を包むカプセルや靱帯、腱が程度の差はあれ傷んだ状態です。脱臼とは関節の向き合う骨と骨の関節面が完全にずれてはずれたり(完全脱臼)少しずれたり(亜脱臼)する状態です。

 完全に脱臼していてあまり時間がたってしまうと、脱臼が元に戻りにくくなり、血管や神経を傷つけることもあるので、昔はその場で指先を引っ張って脱臼を整復したのだと思います。しかし、骨折と脱臼が同時に起こっていることもあるので無理に引っ張らず、そのまま整形外科で受診、レントゲン検査を受けてから処置するのが安全です。

 さらに脱臼がその場で治っても約2〜3週間の固定と、その後のリハビリが必要になります。また、骨折があるか、ないかで手術が必要な場合もあるので、レントゲン検査が大切です。

 関節がずれていない(脱臼していない)のに無理に引っ張ると関節を傷め、骨折があれば悪化しますので、引っ張らずにそっとして、痛みの程度が強ければやはり整形外科を受診してください。先日、親指を突き指して1カ月半経っても関節が腫れて曲がらない患者さんが受診され、レントゲン検査で骨折が見つかるケースがありました。

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監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPはhttps://ijiri.jp

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