福岡県警宗像署は12月5日、同県福津市にある飲食店に侵入し、金を盗もうとしたとして、序ノ口力士の少年(17)を、住居侵入と窃盗未遂の疑いで逮捕した。
この力士は5日午前4時頃、宿舎近くのこの飲食店に1階のトイレの窓から侵入。2階に上がった際に、物音で目を覚ました経営者の女性(24)に注意をされ、出て行ったという。力士は九州場所開催のため、飲食店近くの宿舎に滞在していた。この飲食店には何度も食事で訪れていたため、経営者の女性とは顔見知り。女性の通報で、力士はあっさり御用となった。宗像署によると、「金を盗もうとして入った」と窃盗未遂の容疑を認めているという。犯人が未成年であることから、しこ名、所属部屋は公表されていない。
相撲界は7月の名古屋場所開催前に、野球賭博問題が発覚し大紛糾。そのほとぼりが、ようやくさめたばかりの今回の事件には、角界の管理体制の甘さを改めて露呈する形となった。
新人力士は通常、入門後、半年間は相撲教習所に通い、一般常識も学ぶことになっている。ただ、中学を出たばかりの年端のいかない少年が、相撲界という特殊な社会に就職したからには、一社会人として、しっかりした教育が必要であろう。
相撲評論家のA氏は、「この力士個人の問題であって、所属部屋、相撲協会には関係ないという意見もあるでしょう。しかし、まだ17の子供です。ろくに常識もわきまえていないでしょう。新人力士については、親方ひいては相撲協会全体が、もっと社会人としての常識を教育する体制をつくる必要があるでしょう。ただ、相撲が強ければいいというものではありません。そういった改革がなされないかぎり、今後もこのような事件が起きる可能性があります」と警鐘を鳴らす。
(ジャーナリスト/落合一郎)