『キングダム』は、漫画家・原泰久氏の同名漫画を原作にした映画作品。紀元前の中国を舞台に天下の大将軍になることを目指して剣の修業に明け暮れる戦災孤児の少年と、後に始皇帝となり中華統一を目指すエイ政の活躍を描いた物語。熱心なファンも多く、これまで発行された53巻の単行本は累計3800万部を突破した。人気俳優の山崎賢人、吉沢亮、長澤まさみらが出演することが発表されている。映画『キングダム』の公式ツイッターは、映画公開を盛り上げるべく、毎日のように登場人物の画像をアップしている。
さて、そんな『キングダム』だが、中国の大戦を描いたスペクタクル作品ということもあり、話題性重視の日本人キャストの起用には以前から懐疑的な声がファンから噴出していた。
そんな中、16日に都内で行われた『キングダム』の日本外国特派員協会会見で、佐藤監督の発言が新たな火種を生んだようだ。
佐藤監督は、『キングダム』の主演に山崎が選ばれたことについて「事実を言うと、山崎賢人は僕のチョイスではなく、プロデューサーが決定していたこと」と暴露。さらには「そもそも(『キングダム』は)『山崎賢人をこれでやる』というプロジェクトだったので……。それを言ってしまうと元も子もないのですが」と明かしたのだった。
日本の大作映画に関しては、オーディションや演技審査よりも先に芸能事務所や映画会社の意向が最優先されることは「暗黙の了解」であるが、キャストに関与することも多い監督が「キャスティングに関してはノータッチ」と公言したことは異例の事態である。
そのため、今回の『実写版キングダム』に懐疑的なファンは「また山崎賢人のゴリ押しか」「作品を大事にするなら、監督なりPなりが作品や俳優をよく理解した上で配役を決めるべきでは?」「そんなにこの映画に関して自信がないのか」「ただの責任転嫁なのでは」との声が噴出している。
特に山崎は2017年公開の主演映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』が多くの原作ファンから不評を買った上、客が入らずシリーズ化が断念されたことは記憶に新しい。そのため、映画ファンの間では「『ジョジョ』の悲劇再びか」と話題になっているようだ。
公開前から、監督の異例のネガティブ発言があった映画『キングダム』。ぜひとも監督もびっくりの興行収入を叩き出してほしいところだが……。