青木氏は墨田区に生まれ、03年の衆院選で千葉12区から初当選。その後郵政選挙で落選し、07年の参院選で政界へ復帰した。学生時代には、テレビ朝日系列のお色気深夜番組「トゥナイト2」でリポーターを務めた経験もあり、30〜40代にはなじみの深い美人候補。小沢氏は「彼女なら絶対勝利できると思いました」と胸を張った。
さらに「家族ぐるみの支援者の1人」とも語るほどの寵愛(ちょうあい)ぶりで、今後の党の猛プッシュは必至。各界でアラフォー美女の活躍が目立つ中、絶好のタイミングで注目選挙区に“最強くノ一”を送り込んだ。
青木氏は「17日に(小沢代表から)『とにかく党のため国のために頑張る気はあるか?』と聞かれ、迷うことなく『頑張ります』と伝えました」とヤル気満々。尊敬する小沢氏直々の鞍替え出馬打診に、さぞ奮い立ったであろうことは容易に想像できる。
永田町関係者は「愛ちゃんはリポーター時代と変わらぬ涼しげな顔立ちに加え、政界でもまれたせいか大人の色気を漂わせるようになった。もともと親しみやすいタイプだし、清潔感あるルックスは無党派層の多い都心の選挙区では太田代表への強力な刺客となるだろう」と分析した。
同区は小沢氏が13回連続当選中の岩手4区からの国替えを画策した選挙区でもあった。小沢氏は「太田さん、そんなに強い候補だと思いません」と余裕とも強がりともとれる発言。青木氏の勝利を確信しているのは間違いないが、太田代表との直接対決を避けた理由が気にかかる。
有権者の一人がいう。「選挙後の連携をにらんで、太田さんに気を使いましたね」。勝てば儲けモノ、負けても結果オーライとの見方。いずれにせよ、策謀に秀でた小沢選挙神話の布石は打たれた。(関)