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元川悦子のサッカー魔法陣(6)

 「今の日本代表は中村俊輔、遠藤保仁、長谷部誠、中澤佑二の力が突出している。4人がそろわなければチーム力が落ちる」
 これは2002年日韓W杯を率いたトルシエ元代表監督の言葉だ。昨年11月のカタール戦(ドーハ)を現地視察し、そう感じたと本人から聞いた。

 28日のアジア杯予選・バーレーン戦(マナマ)で0-1の苦杯を喫した日本は、元指揮官が指摘した通りの「力不足のチーム」だった。
 頼みの攻撃陣は不在。ゲームを作るべき中村憲剛も稲本潤一と息が合わず、中盤を支配できない。稲本と本田圭佑の両欧州組も持ち味のダイナミズムを出せなかった。
 守備の要・中澤は動きも連係もいまひとつ。20日のイエメン戦(熊本)に続いてセットプレーから失点した。「中澤ら長身選手がいるからアジアでは制空権を握れる」という長年の定説もどうやら崩れつつあるようだ。

 07年12月の岡田ジャパン発足後、バーレーンとは4回対戦。2勝2敗と分が悪い。昨年3月の黒星はオシムジャパンからの移行期でチームが固まっていなかった。だが今回は1年以上の時間が経ち、指揮官の言う「激しいプレスからの素早い攻め」というコンセプトが浸透したはず。それなのに主力数人が抜けただけでこの有り様。選手層の薄さは深刻だ。
 今回は11年ぶりにテレビ生放送のない代表戦となった。今後、そういう事態を避けるためにも「強い日本代表」を誇示する必要があった。だが「結局は中村俊輔らがいなければ勝てない」という印象を濃くしただけ。ネット生中継を見たファンは強い苛立ちと失望を覚えただろう。
 今の方向性で大丈夫なのか。答えが出るのは2月11日の南アW杯予選・豪州戦(横浜・日産スタジアム)。大一番次第では大胆策を講じる必要が出てくるかもしれない。

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