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“ストレイト”なガチバカ一直線!? 貴乃花と船木誠勝に相通ずる“マッドネス”

 大相撲の貴乃花親方が、日本相撲協会の互助会体質に一石を投じるべく、二所ノ関一門から離脱し、無所属で協会理事選に立候補して、大きな波紋を呼んでいる。現役時代は、通算22回の優勝をすべてガチンコで成し遂げた“平成の大横綱”として名を馳せ、引退後も「八百長相撲の撲滅」の理想に燃える“若き過激派”として、相撲協会の守旧派からは常に恐れられ、煙たがられる存在、それが彼なのだ。

 革命のためなら孤立も厭わないのが貴乃花親方の信条だが、プロレス界にも、彼とよく似た軌跡を辿ってきた男がいる。

 ハイブリッドレスラー・船木誠勝である。

 船木と貴乃花親方、この二人の天才の生き方はよく似通っている。まずは両者とも、中学卒業と同時にプロの世界に身を投じ、格闘士として純粋培養されて育ったことが挙げられる。結論づけるにはいささか早計かもしれないが、両者の良くも悪くもな頑固さ、偏屈さ、融通の利かなさは、社会人生活を経験しないままスターになったプロアスリート特有のものに見える。いわゆる“世間ズレ”を知らないピュアネスこそが、彼らの最大の共通点なのだ。

 そして両者ともに、その“マッドネス”すれすれのピュアネスを抱えたまま、相撲界、プロレス界、それぞれの道で、旧態依然の体制をブチ破らんとする危険分子と化す。貴乃花親方が現役時・引退後と、ともに“ガチンコ革命”を角界に起こさんと独りぼっちの闘いを続けているのは先述の通りだが、船木も80年代末期にマット界を席巻した『第2次UWF』において、当時のトップ・前田日明にUWFの全ガチンコ化を迫り、前田に「5年待て」と諭された過去を持つ。

 前田の「5年待て」発言に我慢ならなかった船木は、後に秒殺集団『パンクラス』を旗揚げし、90年代の格闘技ムーヴメントを牽引した。その姿は、二所ノ関一門の親方衆からの「2年待て」という説得に耳を貸さずに一門を離脱し、相撲協会に弓を引く道を選んだ、現在の貴乃花親方に被って見える。

 現役引退後の船木は、俳優業転向、パンクラス離脱と、波瀾万丈の浮沈を繰り返しながらも、現在はプロレスに復帰。かつて“マッドネス”と称された狂気の片鱗をわずかには残すものの、パンクラス時代と比較すると、だいぶ憑き物が取れたような弾けっぷりを見せている。

 一方の“ガチンコ革命”に懸ける貴乃花親方の今後の相撲人生も、さらなる迷走を続けることになるのだろうか。そして、迷いに迷い続ける彼の人生に、一筋の光明が差す日はやって来るのだろうか。

(鶴岡忠勝 山口敏太郎事務所)

参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou

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