「副鼻腔炎が怖い。鼻風邪をひいたまま放置しておくと、鼻の穴の粘膜が腫れ、その奥にある副鼻腔の入口が塞がり空気の流れが悪くなる。さらに放置すると、脳・眼・耳など顔にある器官全体に症状が及んでしまうことがあります。鼻汁が膿のように黄色味がかったり、緑がかった鼻水などの症状は、単なる鼻炎ではなく、副鼻腔炎の兆候なのです」(世田谷井上病院・井上毅一理事長)
気温が低下すると、免疫力も落ちる。さらに湿度が下がると喉や鼻の粘膜も乾きがちになる。粘膜はほどよい湿り気を帯びていると喉や鼻を外の異物から守ってくれるが、乾燥によって機能が低下するとウイルスにも感染しやすくなるという。
副鼻腔炎の原因でもっとも多いのが、風邪やインフルエンザのウイルスや細菌感染による急性副鼻空炎で、発熱したり濃い鼻汁が出て痛みが増す。目に近い副鼻腔で起こると、視覚異常になることもあるという。
一方、慢性副鼻腔炎では痛みはほとんどなく、鼻汁が出たり鼻がつまる、匂いがわかりづらい、体がだるいなどの症状が続く。そのため、アレルギー性鼻炎などとも間違えやすいのだ。
「市販薬でごまかしていると、脳の中に細菌感染が起こり、脳組織内の炎症と溜まった膿によって脳が圧迫される脳膿瘍などの重大な疾患を引き起こし、最悪の場合、亡くなることもあるので要注意です」(井上理事長)
鼻風邪とバカにするなかれ。