そして昨年、コンビとして10回目となる単独ライブ『人生に、エクスカリバーを。』を開催。東京、仙台、大阪、愛知、福岡、新潟と全国を回り、大成功を収めた。
今回、同ライブを収録したDVDが11月27日に発売されることを記念して、うしろシティの2人にインタビューを行った。単独ライブのことはもちろん、彼らが出演する人気ラジオ番組『うしろシティ星のギガボディ』(TBSラジオ)の話も聞いた。
ーーまずはツアーを回っての思い出をお聞かせください。
金子:今回から初めて仙台でやらせていただいたんですけど「仙台はなかなか入らない」って脅されていたんですよ。でも、蓋を開けたら満員でしたし、皆さん楽しみにして下さっていたみたいで、やって良かったなって思います。ベストネタとかではない新ネタライブなので、最初は「場所を増やすのもどうなん?」って思っていたんですけど、温かくてホッとしました。
阿諏訪:全国を回り出して結構経つんですけど、お客さんの中でも「今年も来てくれた」って恒例になってくれている感じがして嬉しかったですね。
ーー単独ライブをやる際に気にかけていることってありますか?
金子:東京と大阪だけで単独ライブをやっていた頃って、角度のあるものというか、「こいつら何だ?」って思われたい気持ちが強かったんですけど、全国を回るとなると初めて来る人が多いから、分かりやすくポップなものを作ろうっていうのはあるかもしれないです。
阿諏訪:(地方は)割とお笑いを観る文化がなかったりするし、「初めてお笑いライブに来ました」って方も多いので、親切にネタを作るっていうかね。
金子:最初の頃は「ウケなくていい」って若手のエゴがありましたね。エゴとポップのバランスが8:2くらいから始まって、だんだん7:3になって、最近は5:5くらいでネタを作るようになっています。
ーーデビュー当時から単独ライブをされていますが、お客さんの雰囲気は変わったと感じますか?
金子:年配の方も来てくれるので、ますますエゴとポップさの兼ね合いを3:7とかにしていかないとなって思いますね。
阿諏訪:ラジオ始めると男の子が増えたり、僕が料理やっていると主婦の方が増えたり、そういう方々にも「来年も来よう」って思ってもらえるようにしないとなって思います。
ーーDVDに収録されている中で、好きなコントや見て欲しいコントはありますか?
阿諏訪:僕は『ここは天国』ってネタですかね。大声で出せるネタなのでやっていて気持ちいいです。
金子:全体的に漫画がモチーフになっているので、それこそ漫画を読む感じで観てほしいです。漫画原作の舞台というか2.5次元みたいなもんなんで(笑)。
ーーうしろシティさんのネタは、コントによってボケが変わりますが、シーンによって役どころを決めているんですか?
金子:作っている時は言いたいことを言いたいので、メインの役のつもりで書いているんですけど、実際演ってみたら「逆の方がいいか」ってことも多いので、そこは臨機応変に、得意そうな方にやってもらうのがいいのかなって思っています。
阿諏訪:明確にボケてツッコんで……ってネタもあるんですけど、(うしろシティのコントは)正しいことを言っているやつがいないですからね。ツッコミっていう正しいやつがいなくて、2人とも変だよっていう(笑)。
金子:(稽古中に)役柄を変えてみて、阿諏訪が目立つ役になると悔しいじゃないですか。だから俺も行くぞ(目立つ)みたいな。俺たちは喧嘩コントスタイルだからな(笑)。
ーー話は変わりますが、レギュラーでやっているラジオ番組『星のギガボディ』は、前身番組『デブッタンテ』から数えると約5年続いています。テレビや舞台とは違った特殊な仕事で、コンビにとっても大きな役割だと思いますが、その辺りいかがですか?
金子:1週間に1回、阿諏訪と2人で喋る時間があるってことだもんね。ラジオがないと、2人で膝突き合わせて喋る機会なんてないですから。学生とかサラリーマンって、日曜(休日)がポイントになってくるじゃないですか。僕らからすると、ラジオを収録している日が1週間のポイントみたいになっていますね。
阿諏訪:家庭でいう家族サービスみたいな触れ合う時間というか(笑)。それで「1週間頑張りましょう」みたいな。
ーー毎週2人ともトークを作って、本編かラジオクラウド(放送後の配信サービス)で必ず披露していますが、大変なのか、楽しんでいるのかどちらですか?
阿諏訪:やっぱり楽しいですよね。自分たちのリスナーは、情熱だけは持っているので、片手間でできないっていうのもあります。上辺だけの話をしていると、バレるので、ちゃんとどこかへ行くとか、話題の場所に行って何かをするとか……そこで、ウソのない行動をするから、ちゃんと自分の身にもなっていますね。
金子:夕方くらいに仕事終わって、後輩と飯だけ食って帰る。とかではなくて、だったらその時間を使っていろんなところへ行った方が、人にも会えるし、ネタ作りにも還元されるし、すごく身になっています。リスナーを喜ばせるためとか、使命感も一切ないです。あいつら(リスナー)も別に楽しんでないし、ただただ俺たちを困らせたいんだろうなって。もう喧嘩ですよ。喧嘩ラジオです(笑)。
ーー(笑)。では、最後にDVDを購入したいと思っている方にメッセージをお願いします!
阿諏訪:昔から親しみやすい設定が多かったんですけど、今回は漫画というまた別ジャンルの皆さんが親しみやすいものがモチーフになっていて、自信のあるDVDです。どんな方でも楽しんでいただけると思いますので、男子も女子も観てください!
金子:最近ローカル番組とかグルメとか、「B級が逆にいい」ってされているじゃないですか。そう考えるとB級のDVDです。
阿諏訪:いやいやいやそんなことないよ。
金子:『このマンガがすごい!』(宝島社)で、下位にランクインしている漫画を知っていたらすごいじゃん。面白いのは、テレビとか、Netflixとかでいくらでも観られるんですよ。そんな中で、(『人生に、エクスカリバーを。』が)ひとつの珍味というか。
阿諏訪:「こいつ詳しいな」みたいなね。
金子:自分のブランディングのために観ておいたほうがいいと思います!
(取材・文:浜瀬将樹)
【DVD情報】
うしろシティ単独ライブ「人生に、エクスカリバーを。」
発売日:2019年11月27日(水)発売
価格:¥3,800+税
※DVD発売記念イベントを11/30(土)に開催!
詳しくは下記参照
http://contentsleague.jp/2233/
うしろシティ公式YouTubeチャンネル:
https://www.youtube.com/channel/UC-9MTRn-MfAMGnocgvvPMyg