「9月3日、国内FA権を取得する鳥谷、同じく新井がそれを再取得します。4月に藤川球児が国内FA権を取得したのと同時に、球団は慰留を要請しました。鳥谷、新井に対しても、即日に残留要請をする予定です。ペナントレースの佳境であり、ゲームに集中させるべきですが、藤川に“誠意”を見せ、新井たちが後回しとなれば…」(プロ野球解説者)
そのため、フロント要人も8月下旬からグラウンドを右往左往していた。しかも、8月30日からの中日3連戦の最中に、来季の補強事項を整理する編成会議も行われた。これには真弓監督も出席しているが、「他に全員が揃える日がなかった」とのことで、敵地・名古屋で“強行開催”となった。
こんな情報も聞かれた。
「打撃不振の新井を三塁から一塁にコンバートしました。レギュラー陣の守備位置が代われば、サインプレーの確認もしなければなりません」(メディア陣の1人)
しかも、中日3連戦後、一塁にコンバートした新井貴浩(34)を三塁に戻すことが決まった。コーチ陣は「(一塁コンバートが)新井のお願い」とその理由を話していたが、『試合前の練習時間』を余計に作らなければならない。試合前の練習といえば、『捕手の2人制』にも“修正”が入れられた。
現在、藤井彰人(35)、小宮山慎二(26)の捕手2人が一軍登録されている。
「試合の経過次第では、どちらか一方を交代させた後にアクシデントが発生するかもしれない。その緊急措置に備えて…」(前出・同)
外野手にコンバートされ、現在、一軍登録されている狩野恵輔(28)をバッテリー・ミーティングに招集したのである。
試合前の守備練習を見た限りでは、狩野はキャッチャーミットを使っていなかったが…。ブラゼルの故障離脱後、新井の不振も重なり、打撃担当のコーチスタッフは打順の組み替えにも躍起だ。編成会議、慰留交渉、守備、打順…。先発投手の好不調やリリーバーの状況を確認するのも、監督の日課だ。試合後は報道陣に囲まれる。今年の夏も暑かった…。心身ともにお疲れ気味の真弓監督にとって、いちばん落ち着くのは試合中ではないだろうか。