A:アンチエイジングの分野では、見た目が若い人は体が健康で若いというのは常識です。
南デンマーク大学のクリステンセン教授が、デンマークに住む70歳以上の1826人の双子を対象にして、見た目と寿命の関係を調査し、2009年に発表した研究があります。
研究は、2001年に全員の顔写真を撮影。双子の本当の年齢を知らない41人に写真を見せ、「この人はいくつに見えますか?」と質問し、見た目年齢を判定してもらいました。
その後、7年間追跡調査を行ったところ、2008年に亡くなっていたのは675人(全体の37%)でした。データを分析した結果、実年齢より若く見える人は長生きする傾向にあることが分かったというのです。
●見た目を意識し生活改善を
しかも、同じ双子でも見た目年齢の差が大きいほど、見た目年齢が高いほうが早死にする傾向にありました。また、見た目年齢が若い人ほど、身体機能、握力、認知機能が高く、細胞の寿命に関係すると言われる染色体のテロメアが長いことも分かりました。
寿命を決める要素は遺伝子が約25%で、他に生活習慣や環境因子があると考えられています。同じ遺伝子の一卵性双生児でも、見た目年齢や寿命に差が生じるのです。
その後、この分野の研究が進んできました。見た目が若い人はシミ、シワ、たるみが少ないきれいな肌をしていることも特徴です。これは、体の内部が健康で若々しいことを反映しているのでしょう。
大事なことは生活習慣です。ご質問の方は、まずは見た目の若さを意識するように努めましょう。そして、早寝早起きの規則正しい生活を心がけましょう。食生活に気を付け、お酒はほどほどに。喫煙はやめ、運動する習慣を持ち、ストレスをためないようにしてください。
**************************************
牧 典彦氏(ほほえみクリニック院長)
自律神経免疫療法(刺絡)やオゾン療法など保険診療の枠に捕われずベストな治療を実践。ほほえみクリニック(大阪府枚方市)院長。牧老人保健施設(大阪市北区)顧問。いきいきクリニック(大阪市北区)でも診察。