インドネシア・ジャカルタで、男(年齢不明)がモスクにある寄付金箱に貼られた銀行口座につながるQRコードを改ざんし、男の銀行口座に寄付金が振り込まれるようした。海外ニュースサイト『SAYS』と『Mothership.SG』などが4月13日までに報じた。
報道によると、男はジャカルタにある複数のモスクのチャリティーボックスに貼られたQRコード付きのステッカーを替え、自身の口座に金銭が振り込まれるステッカーに変更したという。
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もともとステッカーはモスクの修復に向け寄付を呼びかけるもの。ステッカーのQRコードを読み取ると振込先が表示されて、寄付希望者はスマートフォンでダイレクトに指定の銀行口座に寄付ができる仕組みとなっていた。
男はこの仕組みを利用し、QRコードの部分を改ざんして、読み取ると男の銀行口座に振り込まれる偽のステッカーを作成。本物のステッカーを剥がして貼り替えたそうだ。モスクは入場料を取らず、基本的に誰でも入ることができた。
『Mothership.SG』は本物と改ざんされたステッカーの両方を掲載しているが、デザインに大きな違いはなく、ぱっと見は同じものに見える。
モスクの管理人がステッカーの改ざんに気づき、監視カメラの映像を確認して犯行が明らかになった。管理人が警察に通報し、3日後に男は逮捕されたそうだ。
警察の捜査によって、改ざんされたステッカーは複数のモスクの26カ所、ほかにも銀行やショッピングモールなど合計で38カ所に貼られていた。犯行は逮捕の少なくとも1週間ほど前から始まった。男とモスクは無関係でモスク内に協力者はいない。なお、実際に寄付をした人は複数いるが被害総額は不明である。
『Mothership.SG』によると、男はインドネシア最大の国営銀行で12年間働いていたエリートだったそうだ。逮捕時は退職していたとみられている。男は同銀行で5年間、管理職を務めた。男の動機は明かされていない。また実行犯は男のみだが、ほかに首謀者ものちに逮捕されているとのことだ。
このニュースが世界に広がると、海外のネットユーザーからは「寄付をしたい人の良心を踏みにじる最低な行為」「余罪がありそう。ほかにも貼られている場所がないか調べてほしい」「いい銀行に勤めてお金はあっただろうに何でこんな罪を犯すのか」「QRコードで寄付ができるのは便利だけど、今後こういった詐欺は増えてきそう」といった声が上がっていた。
男の行為は法的に許されないことはもちろん、道徳的にも問題がある。警察は余罪も含めて徹底的に調べる必要があるだろう。
記事内の引用について
「Man Caught Sneakily Switching Mosque Donation QR Codes With His Personal Account」(SAYS)より
https://says.com/my/news/man-caught-on-cctv-changing-mosque-donation-qr-code-with-personal-account-qr-code
「Man arrested for putting fake QR code stickers on charity boxes in several mosques in Indonesia」(Mothership.SG)より
https://mothership.sg/2023/04/fake-qr-codes/