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「おぐらが斬る!」米国が韓国を守ってくれないなら韓国は核独自開発を?

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バイデン米大統領と韓国の尹錫悦大統領が26日、ワシントンで会談した。会談の中で「北朝鮮から韓国が核攻撃を受けた場合」の対応が話し合われた。

今年は米韓同盟70周年もある。またバイデン氏が大統領に就任してから、米国が国賓として招いたのは、フランスのマクロン大統領に続いて二人目だ。

尹錫悦大統領は25日に米マスコミに次のように語った。

「北朝鮮の脅威が目前に迫っている。いま重要なのは北朝鮮が核兵器を使う勇気を持てなくすることだ」

これは北朝鮮に韓国への攻撃を思いとどまらせる「拡大抑止」の重要性を米国に訴えたわけだ。

拡大抑止とは、今回の場合、米国の抑止力を韓国の防衛に対して提供することを指し、米国だけでなく、韓国など同盟国が他国から攻撃を受けた場合、反撃する意図を示すことで、韓国など同盟国への攻撃を思いとどまらせることをいう。

そして今回の米韓首脳会談で、拡大抑止が明記された「ワシントン宣言」が採択された。この宣言には、米国の核戦略について韓国の理解を深めるため、米韓当局者が定期的に会合する「核協議グループ」を新たに設置。

さらにこの宣言には、核兵器搭載可能な原子力潜水艦を韓国に派遣することも入っている。

だが・・・

バイデン大統領は「朝鮮半島に核兵器を配備するつもりはない」と、韓国に核兵器の配備を行わないことを強調した。

かつて米国は、韓国に核兵器を設置していたのだが、1991年の「南北非核化共同宣言」以来撤去したままだ。

北朝鮮が核の実験を繰り返しているのにだ。

これでは韓国国民は不安であろう。ある調査では「米国は韓国が北朝鮮から攻撃されたら、核を使用すると思うか?」という問いに対して「使用しない」が過半数を占めている。

そのせいか以前より韓国では、独自の核武装をやり北に対抗すべきという世論が増えている。

その世論を受けてか尹大統領も1月に

「韓国も戦術核を配備し、独自の核保有をすることもありうる」

と、韓国大統領としては初めて、独自の核武装の可能性を言及した。この言葉を受ける形で米国は「我々は朝鮮半島の完全なる非核化を目指している」と、釘を刺している。

元々韓国は米国をあまり信用していない。韓国人にとって米国は「日韓併合は米国が承認したから」であり、「朝鮮戦争で民族は分断された。これは米国がちゃんと韓国を守ってくれなかったから」と思っている人もいる。

いまももし北朝鮮が戦争を再開すれば、本当に米軍は助けにきてくれるのか、と疑問を持つ韓国人も多い。トランプ大統領時代に「在韓米軍の経費を韓国政府に負担させるか、さもなければ軍を撤退させるぞ」と脅したことも記憶に新しい。だからこそ独自の核が欲しいのだ。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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