巨大なマンモスも、全長5~6メートル、体重3~4トンもあるオオナマケモノも、体調3メートル、体重1トンのホラアナグマも、ユーラシア大陸だけではなく、南北アメリカ大陸、オーストラリア大陸でも人類が進出した後に絶滅しているのだ。
約1万年前、人類は農耕や牧畜を発明する。その頃の地球人口は約500万人。もしかしたらこの500万人が狩猟採集生活を地球上の人類が行う限界だったのかもしれないという学者もいる。
狩猟採集の時代では、おそらく害獣・害虫という発想はなかったか少なかったであろうが、農耕や牧畜をするようになってから、畑を荒らすイノシシやシカ、バイソンのような野牛は害獣になった。ヒツジやヤギを襲うオオカミも駆逐の対象になった。畑に生える作物以外の植物は雑草と言われ引っこ抜かれた。
現在、この地球は砂漠化が問題になっているが、この砂漠化にも人類の農耕や牧畜が大きく関係していると言われている。
現代人は田畑を見て「豊かな自然」と思う人が多いが、田畑や牧場は決して自然ではない。農民が何代もかけて土を改良したものであり、農地や牧場はもっとも大きな自然破壊の爪痕とさえ言える。
人類は地球上で大繁殖した。特に産業革命がはじまった17世紀には7.3憶人程度であったのが、その後急増、いまやその10倍以上の80億人越えである。
産業革命・科学革命のあとは、これまでにないことが起こった。
地球規模の公害である。
地球の空気や海を人類は汚し続けている。それがわかっているのに、自分たちの欲望でなかなか汚染を止めることができない。
さらに核については核兵器や原子力発電など、これまでにない危機にさらされながら、人類は人口を増やし続けている。
いま年間で4万種、1日で100種類もの生物が絶滅しているという。そのほとんどに我々人類が関係している。
そしてこのままでは我々人類がこの地球を滅ぼしてしまいかねない。
ホモ・サピエンスとは「賢い人」という意味だが、このまま自然破壊を続けるようでは、決して「賢い」とは言えないだろう。いまこそ人類はもう少し知的に行動してほしいものだ。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。